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2003. 12.15

フェスト事件は続く

連邦巡回控訴裁判所 (CAFC) は「審査経過禁反言」の判断は、陪審ではなく裁判官が行うべき法律問題であると判示

去る2003年9月26日に、連邦巡回控訴裁判所はその全員法廷 (en banc panel) において、注目されていたFesto Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co., 2003 U.S. App. LEXIS 19867 (Fed. Cir. Sept. 26, 2003) 事件に関して判決を下し、均等論に基づく侵害の主張に対する抗弁として審査経過禁反言 (prosecution history estoppel) が主張された事件に事実審の裁判所がどのように対応すべきかを明らかにしています(少数意見あり)。最も注目すべき点は、同裁判所が、かかる問題は陪審ではなく裁判官が判断すべき法律問題であるとした点、また、特許権者がクレームの範囲についての放棄 (surrender) を行ったという推定が覆されるか否かを判定する際に、事実審の裁判所が検討すべき証拠の範囲を限定した点です。

背景

この事件は、昨年の連邦最高裁判所の判決、Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co., 535 U.S. 722 (2002) 事件の差戻審です。 最高裁判所は同判決で、特許法の要求を満たすためにクレーム減縮補正が行われた場合は均等論によるクレーム範囲の拡大は完全 (complete) かつ反駁不可能な形で禁止 (bar) されるという連邦巡回控訴裁判所の全員法廷による判決を破棄しました。最高裁判所は、クレーム減縮補正は特許権者が均等物に及ぶ範囲を放棄したという推定を生じさせるだけで、特許権者は以下の3つの方法のいずれかによってこの推定を覆すことができるとしています。(1) 均等物が補正時点において予見不可能であったことの証明 (「予見可能性」) 、 (2) 補正を行った理由と、問題にしている均等物との関係がほとんどないこと (tangential relationship) の証明 (「関係の希薄性」)、または (3) 特許権者が重要性に欠ける当該代替物を記述することを、当業者が予期することは合理的とは言えないといえるその他の理由があることの証明 (「その他の理由」)。

差戻審において、連邦巡回控訴裁判所は当事者に対して次の4つの争点に関する弁論を行うよう求めました。

  1. 放棄の推定に対する反駁は、予見可能性、関係の希薄性または当業者の合理的な期待を含め、法律問題なのか、事実問題なのか。特許権者が推定を覆すことができるか否かを判定する上で陪審が果たすべき役割は何か。
  2. 最高裁判所が設定した基準にはいかなる要素が含まれるか。
  3. 反駁の判断に事実認定が必要である場合、フェスト社がクレーム減縮補正によって、現在主張されている均等の範囲を放棄したという推定に反駁できるか否かを判断するために地方裁判所への差し戻しが必要かどうか、または今までの裁判記録でこれらの判定を行うに十分であるかどうか。
  4. 地方裁判所への差し戻しが不要であるとすれば、クレーム減縮の補正によって、現在主張されている均等の範囲を放棄したという推定をフェスト社は覆すことができるかどうか。

Festo Corp. v.Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co., 304 F.3d 1289, 1290-91 (Fed. Cir. 2002) (order).

連邦巡回控訴裁判所

連邦巡回控訴裁判所の今回の判決は、これらの問題への回答です。裁判所はまず、クレーム減縮補正はそれが自己発意によるものであるか、第112条を含む特許法の規定を遵守するためのものであるかを問わず、それによって審査経過禁反言が生じる場合があるということを再確認しています。説明が付されていないクレーム減縮補正は「特許性に関する実質的な理由」によるものであるという推定が生じるが、特許権者は補正の理由が特許性に関するものではなかったことを証明することによって、この推定を覆すことができます。審査経過禁反言のこの推定に関する特許権者の反駁は、審査経過記録の中に含まれる証拠によるものに限定されます。

クレーム減縮補正が特許性に関する実質的な理由に基づくものであったと裁判所が判断すると、特許権者が当初のクレームの範囲と補正後のクレームの範囲との間のすべてのクレーム範囲を放棄したという推定が生じます。特許権者は問題とされている特定の均等物については放棄をしていないということを証明できれば、この完全放棄の推定を覆すことができます。特許権者がかかる証明をできない場合には、審査経過禁反言によって均等物に対する特許の主張は禁止されます。特許権者が推定を覆すことができた場合には、審査経過禁反言は当該均等物に対しては適用されず、よって均等論の下で侵害問題が判断されることとなります。

裁判官と陪審の役割

本判決の最も重要な判示事項は、連邦巡回控訴裁判所が陪審ではなく、裁判官が審査経過禁反言適用による最終判断も、特許権者が完全放棄の推定の反駁に成功したかどうかの判断も行うこととした点です。裁判所がそう判断した根拠は、審査経過禁反言は衡平法上の法理であって、よって法律問題であるという点です。

「完全放棄」の推定に対する反駁

連邦巡回控訴裁判所は、特許権者が完全放棄の推定に対する反駁に成功したかどうかを判断する上で裁判所が考慮すべき事項のすべてを特定しようとはしていませんが、最高裁判所のフェスト判決に基づいていくつかの指針を提供しています。

  • 予見可能性については、同裁判所はその時点において存在した技術ではなく、後に開発された技術であれば主張された均等物に予見可能性がなかったとされる可能性があると述べています。その例として、同裁判所は真空管に対するトランジスターの関係、ファスナーに対するVelcro® の関係を述べています。同裁判所は事実審の裁判官が鑑定人の意見を聞き、また予見可能性に関するその他の外部証拠を考慮することを認めています。
  • 関係の希薄性については、事実審の裁判所は補正の理由が、権利主張された均等物にとって末梢的なものであるとか、直接的な関連性がないこと等を検討すべきであるとしています。同裁判所は関連性の度合いについて規定しようとはしていませんが、均等物がその内容に含まれる先行技術を回避するために行われた補正はクレームを許可するに中心的役割を果たしている−従って、関係が希薄であるとは言えないと述べています。この点について、連邦巡回控訴裁判所は事実審の裁判官が審査経過記録だけを検討すべきであって、当該記録の解釈に関して当業者による専門家鑑定が必要である場合を除き、それ以外の証拠を採用するべきではないと判示しています。
  • 最後に、連邦巡回控訴裁判所はフェスト判決の第三のカテゴリーである「その他の理由」、即ち、特許権者が均等物と主張する物の記述を行っていることが合理的に期待できることであるかどうかについては、限定して解釈すべきであり、その適用は特許権者がクレームを減縮した際に当該均等物を記述することができなかったのは、「言語の欠陥」などの何らかの理由があった場合だけに限られるべきであると指摘しています。この点においても、事実審の裁判官は外部証拠を利用することが妥当とされる場合もあり得るであろうが、一般的には検討の対象をできるだけ審査経過記録だけに限定すべきであるとしています。

ルーリー判事は、多数意見を代表して判決文を書き、フェスト社は、法律問題として、「関係の希薄性」や「その他の理由」によって放棄推定を覆すことはできないとしましたが、主張された均等物が予見可能であったか否かを事実問題として判断するために当事件を事実審の裁判所へ差し戻しました。レイダー判事も同意意見を述べています。

ニューマン判事とメイヤー主席判事は一部同意、一部反対意見を述べています。両判事は、放棄推定とその反駁は裁判官が判断する法律問題であるという点において判決に同意しています。また、「予見可能性」に関する事実認定のために事件を差し戻す点についても同意しています。両判事の反対意見は、多数意見が「関係の希薄性」および「その他の理由」の点についてフェスト社に不利な判断を行っていることに関してです。両判事は、特許権者はこれらの点について、審査経過記録だけでなく外部証拠を提出することが認められるべきであるとしています。「関係の希薄性に関連する要素が審査経過記録の中に含まれている可能性は乏しい、なぜなら、無関係な事項や知られざる均等物が審査官や出願人によって議論されている可能性は乏しいからである」と述べています。少数意見は、多数意見は「発明者に新たなそして費用のかかる負担を強いるもので、特許奨励の価値を低減させ」、また「放棄の範囲を広範に認める解釈を採用し、その反駁を困難にし、その結果としての制度は、ほとんどの特許権者が生き残り得ないものとなる」と結論付けています。

意味合い

連邦巡回控訴裁判所による前回の全員法廷判決ほど極端ではないが、このフェスト判決も均等論を制限しようとする連邦巡回控訴裁判所の一貫した姿勢を反映しているように思われます。 禁反言の適用があるという推定に反駁しようとする特許権者の証拠は審査経過記録に限定されることになります。 この最初の推定に反駁できないと、特許権者は放棄範囲の判断を陪審に対して求めることも同時に否定され、更に場合によっては禁反言によって均等論が一切禁止されるという推定に反駁するための証拠が審査経過記録のみに限定されることになります。

本判決の全文(英語のみ)は連邦巡回控訴裁判所のウェブサイト(2003年9月26日付判決)で入手可能です。
http://www.fedcir.gov/dailylog.html


FEDERAL CIRCUIT CLARIFIES PROSECUTION HISTORY ESTOPPEL AND RULES THAT IT IS ISSUE FOR THE JUDGE, NOT THE JURY

On September 26, 2003, a divided en banc panel of the United States Court of Appeals for the Federal Circuit issued an opinion in the closely-watched case of Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co., 2003 U.S. App. LEXIS 19867 (Fed. Cir. Sept. 26, 2003), that further clarifies how trial courts will resolve cases in which prosecution history estoppel is asserted as a defense to allegations of infringement under the doctrine of equivalents. Most significantly, the court ruled that these issues will be determined as a matter of law by judges, not juries, and it limited the scope of evidence which trial courts should consider when assessing whether patent holders have overcome any presumption of claim-scope surrender.

BACKGROUND

The case arises on remand from last year's Supreme Court decision in Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabusihiki Co, 535 U.S. 722 (2002), which in turn had rejected an earlier en banc decision by the Federal Circuit to the effect that any narrowing amendment made to satisfy a requirement of the Patent Act would give rise to a complete and unrebuttable bar to expanded claim scope under the doctrine of equivalents. Instead, the Supreme Court established that narrowing amendments create only a presumption that the patentee surrendered equivalents coverage and further that patentees can rebut this presumption in one of three ways: (1) demonstrating that the equivalent would have been unforeseeable at the time of the amendment ("foreseeability"); (2) demonstrating that the rationale underlying the amendment bore no more than a tangential relationship to the equivalent in question ("tangentialness"); or (3) by demonstrating that there was some other reason suggesting that the patentee could not reasonably be expected by those skilled in the art to have described the insubstantial substitute in question ("other reason").

On remand, the Federal Circuit directed the parties to provide briefing on four issues:

  1. Whether rebuttal of the presumption of surrender, including issues of foreseeability, tangentialness, or reasonable expectations of those skilled in the art, is a question of law or one of fact; and what role a jury should play in determining whether a patent owner can rebut the presumption.
  2. What factors are encompassed by the criteria set forth by the Supreme Court.
  3. If a rebuttal determination requires factual findings, then whether, in this case, remand to the district court is necessary to determine whether Festo can rebut the presumption that any narrowing amendment surrendered the equivalent now asserted, or whether the record as it now stands is sufficient to make those determinations.
  4. If remand to the district court is not necessary, then whether Festo can rebut the presumption that any narrowing amendment surrendered the equivalent now asserted.

Festo Corp. v.Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co., 304 F.3d 1289, 1290-91 (Fed. Cir. 2002) (order).

THE FEDERAL CIRCUIT

The Federal Circuit's most recent decision provides its answers to these questions. The Court first reiterated that narrowing amendments that are either voluntary or made to comply with any provision of the Patent Act, including section 112, may give rise to prosecution history estoppel. Any unexplained narrowing amendment is presumed to be for a "substantial reason related to patentability," but the patentee may rebut that presumption by showing that the reason for the amendment was not one relating to patentability. A patentee's rebuttal of this presumption of prosecution history estoppel is restricted to the evidence in the prosecution history record.

If the court determines that the narrowing amendment has been made for a substantial reason relating to patentability, a presumption then arises that the patentee has surrendered all claim scope between the original claim limitation and the amended claim limitation. The patentee may rebut this presumption of total surrender by demonstrating that it did not surrender the particular equivalent in question. If the patentee does not do so, prosecution history estoppel bars the patentee from covering that equivalent. If the patentee does rebut the presumption, prosecution history estoppel does not apply as to the accused equivalent, and the question of infringement by the doctrine of equivalents proceeds on the merits.

The Roles of Judge and Jury

In its most significant ruling in this case, the Federal Circuit ruled that judges, not juries, should decide both the ultimate issue of prosecution history estoppel and whether patentees successfully rebut the presumption of total surrender. The court based this holding on the principle that prosecution history estoppel is an equitable doctrine that presents a question of law.

Rebuttal of the "Total Surrender" Presumption

The Federal Circuit declined to attempt to identify all of the relevant factors that courts should consider in determining whether a patentee has successfully rebutted the presumption of total surrender, but it offered a few guidelines based on the Supreme Court's Festo decision:

  • With respect to foreseeability, the court noted that an alleged equivalent may be unforeseeable if it represents later-developed technology in contrast to then-existing technology. As examples, the court cited transistors in relation to vacuum tubes or Velcro® in relation to fasteners. The court indicated that trial judges may hear expert testimony and consider other extrinsic evidence on this point.
  • With respect to tangentialness, trial courts should consider whether the reason for the amendment was peripheral, or not directly relevant, to the alleged equivalent. The court did not attempt to define degrees of relevance, but it noted that an amendment made to avoid prior art that contains the equivalent would be central to allowance of the claim-and, therefore, not tangential. On this point, the Federal Circuit determined that trial judges should limit their inquiries to examination of the patent prosecution history record without introduction of additional evidence, except, when necessary, expert testimony from those skilled in the art as to the interpretation of that record.
  • Finally, the Federal Circuit indicated that the third Festo category of "other reason," i.e., whether the patentee could reasonably have been expected to describe the alleged equivalent, must be narrowly defined and applies only where there was some reason, "such as the shortcomings of language," why the patentee was prevented from describing the alleged equivalent when it narrowed the claim. Here again, where possible, trial judges should generally limit their inquiry to the prosecution history record, although there may be cases where extrinsic evidence is appropriate.

Writing for the majority, Judge Lourie found that Festo could not, as a matter of law, rebut the presumption of surrender under either the criteria of "tangentialness" or "other reason," but remanded the case to the trial court to determine issues of fact as to whether the alleged equivalent was foreseeable. Judge Rader issued a concurring opinion.

Judge Newman and Chief Judge Mayer concurred-in-part and dissented-in-part. They concurred in the ruling that the presumption of surrender and its rebuttal are issues of law for the court. They also concurred with the holding which remanded the case for factual findings as to "forseeability." They dissented, however, on the majority's holding against Festo on "tangentialness" and "other reasons." They urged that patentees should be able to proffer extrinsic evidence on these issues and not be limited to the prosecution history. "The factors relevant to tangential relation are unlikely to reside in the prosecution record, for unrelated subject matter or unknown equivalents are unlikely to have been discussed by either the examiner or the applicant." The dissent concludes that the majority "places new and costly burdens on inventors, and reduces the incentive value of patents" and that "adopting a generous interpretation of the scope of surrender, and stinginess toward its rebuttal, the ensuing framework is one that few patentees can survive."

Implications

Although less extreme than the Federal Circuit's previous en banc decision, this Festo opinion appears to reflect the Federal Circuit's continuing desire to limit the doctrine of equivalents. Patentees seeking to rebut the presumption that estoppel applies will be limited to evidence in the prosecution history. Failing to rebut this initial presumption, patentees will now also be denied access to the jury in determining the scope of any surrender, and will in some cases again be limited to the prosecution history in rebutting the presumption that the estoppel should apply as a complete bar on the doctrine of equivalents.

The full opinion may be found on the Federal Circuit's website (entry for 2003/09/26) at
http://www.fedcir.gov/dailylog.html

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