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2008. 06.12

米国最高裁判所がQuanta v. LG Electronics事件で、特許消尽について判決を下す

Tokyo Litigation Client Bulletin

東京訴訟部
マックス・オルソン  マーク・ダーニー  クレイグ I. セルニカ  ピーター J. スターン  ルイーズ・ストゥープ  一色 太郎  
ダニエル P. レヴィソン


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(参考訳) 

2008年6月9日、米国最高裁判所はQuanta Computer, Inc. v. LG Electronics, Inc. 事件で、待ち望まれていた判決を下した(米国最高裁判所No. 06-937 (2008年6月9日))。トーマス判事が下した全員一致の判決で、同裁判所は、連邦巡回控訴裁判所の判決を破棄し、部品の許可された販売により、その部品が、その後、他の部品と組み合せられて特許システムを形成したり、方法特許を実施することになる場合、当該部品で実質的に実施されている全ての特許(システム特許および方法特許を含む)は消尽すると判示した。同裁判所はまた、特許権に関する権利の制限について単に顧客に通知するだけでは、これらの顧客に対してなされた許可された販売に起因して生じる特許権の消尽を回避できないことを明確にした。

最高裁判所の同判決は、不確実性により毀損されていた一法分野における重要な争点を明確にするものである。同判決は、システムのベンダーその他下流のユーザーに対して、購入製品がその意図する使用に供されるときの特許侵害リスクを評価しようとする際のより明確な指針を提供するものであり、また、販売者(およびそのライセンサー)に対して、販売がどのような範囲で、下流のユーザーに対して特許権に関する免責を与えることとなるのかについてのより明確な指針を提供するものである。しかしながら、この判決はいくつかの重要な問題を未解決のまま残しており、供給者および購入者が依然として残る侵害リスクを注意深く分析する必要性を排除していない。また同判決は、特許権者およびライセンシーに特許権消尽の効果を限定または回避する可能性を検討する余地を残した。

背景

Quanta事件の核心には、特許権消尽論、「条件付き販売」の原則および黙示のライセンス論に関する基本的な問題が存在する。近年、多くの連邦巡回控訴裁判所および地方裁判所による判決で、一貫性なくこれらの法原則が採用され、時にはこれらが融合されて適用されていることにより、重大な法的不確実性が生じている。とりわけ、裁判所は、購入者が(製品自体についての特許の有無に関係なく)購入製品を、ある方法の実施に、または当該製品をシステムへ組み込んで使用する場合に、販売者(または販売者のライセンサー)が当該方法またはシステムを対象とする特許を所有している場合に、これらの法理をどのように適用すべきかの明確な指針を提供していない。

一般論として、特許権消尽論または「ファースト・セール」の法理とは、一旦特許権者が特許の対象とする製品を販売したら、当該特許権者は、購入者が当該製品を使用または再販売することを妨げるために当該特許権を使用することができないとするものであり、使用とその後の販売を制限する特許権者の権利は「消尽」されたといわれる。[1]裁判所はさらに、「[特許権消尽の]長年の原則はそのライセンスの範囲内で行為を行うライセンシーが製造する特許製品の販売に同様に適用される」と判示してきた。[2]したがって、消尽に関して言うと、「ファースト・セール」には、特許権者または特許権者が販売許可を与えた第三者による販売があり得る。

下流の顧客からの収益か、または製品の異なる使用に関してかに係らず、追加的な収益の流れを創出する目的で、多くの業界の特許権者はしばしば購入者に制限ないし条件を課すことにより特許権消尽論の効果を限定しようと努めてきた。特許医療機器に課された「一回のみ使用」制限に関する事件であるMallinckrodt, Inc. v. Medipart, Inc.[3]において論争を呼んだ判決で、連邦巡回控訴裁判所は、いわゆる「条件付き販売」の原則を確立し、販売者は、特許製品の販売に条件を付すことにより、消尽論の適用可能性を限定できるとした。連邦巡回控訴裁判所は、地方裁判所にこの事件を差し戻し、本件機器の販売が「販売およびライセンスが準拠する法律など適用法令に基づき有効に条件を付されている」場合には、当該条件によって制限された使用については消尽は生じず、当該条件の違反は特許侵害訴訟により救済され得ると指示した。[4]しかしながら、いつ販売が「有効に条件を付された」と正確に言えるかは不明確なままであった。

有効な条件がないときは、消尽論は販売製品をカバーする装置特許については明らかに適用されている。しかし、その他の場合、特に、問題の特許権がそれ自体をカバーしていない製品または部品が販売されたところ、その後購入者が販売者の特許が対象とするプロセスを実施するにあたり当該製品または部品が使用されるという場合、または購入者が製品もしくは部品をシステム内の他の要素と組み合わせる場合で当該システムが販売者の特許の対象となっている場合については、法律は明確でなくなってくる。若干の裁判所では、このようなケースの分析のために黙示のライセンス理論に依拠してきたものの、他の裁判所ではほとんどが、United States v. Univis Lens Co.[5]に依拠して、販売された部品が「特許発明の本質的な特徴を実施している」[6]場合は、特許権消尽論を採用している。

技術開発、特許出願戦略の変化およびライセンス実務の進化により、消尽論および黙示のライセンス論の範囲ならびにそれらの相互関係に関する不確実性が増すことになった。しかしながら、この区別は、とりわけ非侵害使用の不存在[7]の要件および消尽または黙示のライセンスの結果を回避する特許権者の能力に関して重大な影響を及ぼすものである。

関連契約および地裁判決

Quanta事件の原告であるLG Electronics(「LG電子」)は、データ処理システムのさまざまな側面および当該システムで実行される方法を特許請求の範囲とする複数の特許を所有していた。LG電子はインテルに対し、LG電子の特許を使用するマイクロプロセッサおよびチップセットを製造および販売するライセンスを供与した。LG電子とインテルとの間のライセンスでは、「第三者によって許諾製品が・・・[非インテル部品]と組み合わされるための、いかなる第三者に対しての」ライセンスは許諾されていない旨が明示的に定められていた。別の基本契約において、インテルは、ライセンスが「明示か黙示かを問わず、インテル製品と非インテル製品を組み合わせて製造された、如何なる製品にも及ばない」旨を顧客に通知するよう義務付けられており、インテルはその旨の通知を顧客に送付することによりこれを履行した。しかし、基本契約の違反はライセンス契約解除の理由ではなかった。当該通知を受領したクオンタら被告はその後インテルからマイクロプロセッサおよびチップセットを購入し、インテル製品ではないメモリおよびバスと組み合わせることにより、コンピュータシステムでこれらを使用した。LG電子は、被告らのコンピュータシステムでのインテル製品と他社部品との組み合わせ、およびかかるシステムの動作がLG電子の特許を侵害しているとして、被告らを相手取って訴訟を提起した。LG電子はマイクロプロセッサまたはチップセット自体についての侵害主張は行っていない。

地裁は、インテルによるマイクロプロセッサおよびチップセットの許可された販売により、システム特許に基づくLG電子の権利は消尽したと判示した。また、地裁はマイクロプロセッサおよびチップセットの販売が「条件付き販売」であったとすればLG電子は消尽を回避できたであろうとしたものの、「[被告らによる]インテルからのマイクロプロセッサおよびチップセットの購入は、インテルのマイクロプロセッサおよびチップセットを非インテル部品と組み合わせない旨の合意を条件としたものでは決してなかったという点において」、被告の購入には「付帯条件はなかった」と判断した。[8] 具体的には、同裁判所は、インテルから顧客に送付された通知は、「マイクロプロセッサおよびチップセットの付帯条件のない販売を条件付の販売に変える」ことはできなかった」とした。[9]

連邦巡回控訴裁判所は、地裁と同様、特許消尽論(黙示のライセンス論ではなく)に基づきLG電子のシステム特許侵害の問題を検討した。しかし、連邦巡回控訴裁判所は、インテルによるマイクロプロセッサおよびチップセットの販売の結果、LG電子の特許権が消尽したとする地裁の判決を覆した。具体的には、連邦巡回控訴裁判所は、インテルからのマイクロプロセッサおよびチップセットの購入に付帯条件はなかったとする地裁の結論を退けた。連邦巡回控訴裁判所は、「[LG電子とインテルとの間のライセンスに基づいて]インテルは、マイクロプロセッサおよびチップセットを自由に販売することができた」ものの、「その販売は条件付であり、インテルの顧客は、LG電子の組み合わせ特許を侵害することを明示的に禁じられている。」と判示した。[10]

連邦巡回控訴裁判所の判示は、Mallinckrodt事件において明確に示された「条件付販売」の考え方を大幅に毀損するものとなった。Mallinckrodt事件では、連邦巡回控訴裁判所は、「販売行為が・・・販売やライセンスに関する法などの適用法に基づき有効に条件付けされていれば」特許権の消尽は回避できると判示した。最近では、2001年にJazz Photo事件において、連邦巡回控訴裁判所は、条件付販売にはその旨を定める当事者間の契約上の合意を要するとし、特許されたカメラのカバーに付された説明や警告は「カメラの再利用制限に対する購入者による契約上の合意の形態をとっていないこと」、および「購入者が・・・使い捨てカメラに対する・・・契約に違反したとみなされる可能性がある『合意』の立証がない。」と説明した。[11]

しかし、LG Electronics事件では、連邦巡回控訴裁判所は、インテルの保有するLG電子ライセンスは「明示か黙示かを問わず、インテル製品と非インテル製品を組み合わせて製造された、如何なる製品にも及ばない」ことが記載されたに過ぎないインテルから顧客への通知が、いかにして「合意」(かかる合意により当該顧客が、インテルから購入したチップセットを非インテル製品と組み合わせないことに契約により合意した。)に相当し得たのかを説明しなかった。当該判決は、Mallinckrodt事件の判決と全く折り合いのつかないものであった。それどころか、連邦巡回控訴裁判所は条件付販売の要件を完全に放棄した上で、単に通知またはその他の販売事情に基づき消尽を回避することを特許権者(およびそのライセンシー)に認める方向に向かっているようであった。

LG電子の方法特許に関して、連邦巡回控訴裁判所は、特許権消尽論は適用できず、インテルによる顧客への通知は黙示のライセンスの成立を阻止したという地裁の判断を支持した。

最高裁判所の判決

連邦巡回控訴裁判所における当事者の主な主張は、条件付販売の結果、システム特許に係る消尽が回避されたか否かに関するものであったが、LG電子は最高裁判所への準備書面および口頭弁論においては全く異なる主張に依拠した。かかる準備書面および口頭弁論において、LG電子は主に、本件は特許権の消尽には全く当たらず、LG電子のシステム特許およびその方法特許の双方に関し、黙示のライセンス論に基づき検討がなされるべきであると主張した。つまり、LG電子の主張は、消尽は、販売品(本件ではマイクロプロセッサまたはチップセットそれ自体)を対象とした特許のみに適用されるのであって、販売品を使用して製造されるシステムを対象とした特許には適用されないというものであった。すなわち、おそらくLG電子自身が、連邦巡回控訴裁判所による条件付販売論の極端な拡大解釈の説明に苦慮していたため、LG電子は、本件を、特許権消尽および条件付販売の適用される事件としてではなく、黙示のライセンスが適用される事件として最高裁判所に意見を述べた。最高裁判所はLG電子の主張を受け入れず、特許権消尽論を適用した。

特許消尽論の方法特許への適用

最高裁判所は、特許権消尽論は方法特許には適用できないとする連邦巡回控訴裁判所の判断を覆し、「特許権の消尽に対する当裁判所のアプローチは、方法特許は消尽し得ないとするLG電子の主張を支持するものではない。」と判示した。同判断について最高裁は、こういう判断をしなければ、特許権者は、単にクレームを装置クレームではなく方法クレームとして作成することにより、事実上、製品を特許権の消尽から保護することができることになり、特許権消尽論を著しく損なうものとなる危険性に明確に言及した。最高裁は「このような巧みな消尽回避を認めること」の下流の購入者への「危険性」を強調した。したがって、特許された方法は物品や装置のように販売され得るものではないものの、概して、販売製品が特許された方法を実施するものであれば特許権消尽論は適用できる。

特許発明の本質的な特徴を実施する製品の販売により、一般的に特許権は消尽する

最高裁判所は、Univis Lens 事件の判決に基づき、部品が特許を「実質的に実施する」場合には、当該部品の販売によって、その部品と他の構成要素との組み合わせをカバーする特許権が消尽することを確認した。最高裁は、特許を「実質的に実施する」部品および消尽の発生を認めるための2つの基準に依拠した。第1に、部品の唯一の合理的使用は、特許を実施するものでなければならないこと。最高裁は、問題は可能性のある代替的使用が特許を実施しないか否かであり、当該使用が特許を侵害しないか否かではないことを強調する。よって、最高裁は、国外での使用または代替部品として使用することをかかる代替的使用とすることを明示的に否定する。というのは、当該使用が特許を侵害しないとしても、その特許の実施は行うからである。最高裁は、また、特許された特徴を使用不可にすることは、全く真の使用を構成するものではないことを理由として、かかる代替使用を構成するものではない旨を付言した。第2に、販売された部品は、特許の「本質的、または発明的な特徴」を実施しなければならないこと。最高裁は、この点は、インテルのマイクロプロセッサおよびチップセットに対して当てはまるとした。なぜなら、「特許を実施するために必要な唯一のステップは、一般的プロセスの適用または標準部品の追加である」からである。インテルのマイクロプロセッサおよびチップセットは、メモリやバスに取り付けられない限りは、LG電子の特許を実施しなかったものの、かかる取り付けは、「発明性のあるもの」ではなく、単に標準部品(マイクロプロセッサおよびチップセットはこれらと共に機能するように具体的に設計されていた)を加えるものに過ぎないとした。最高裁は、この状況をAro Mfg. Co. v. Convertible Top Replacement Co.,[12] の状況と対比させる。当該事件においては、組合せ自体が特許の唯一の発明的要素であり、個々の要素はいずれも、発明の中核または発明に相当するとみなし得るものではなかった。これに対して、LG電子の特許については、最高裁は、「特許の発明的な部分は、メモリおよびバスがマイクロプロセッサまたはチップセットと組み合わされていることではなく、インテル製品のデザイン自体および同製品がメモリまたはバスにアクセスする方法にある。」と述べた。

否認条項およびインテルの顧客への通知義務はインテルの許可された販売に影響せず

最高裁判所は、また、特許権の消尽が発生するか否かの判断の焦点は、特許権者から販売許可を受けているか否かによることを確認した。本件の場合、最高裁は、インテルの販売は、LG電子の許可を得ていたとした。具体的には、裁判所は、「ライセンス契約のいずれの定めも、インテルのマイクロプロセッサおよびチップセットを非インテル部品と組み合わせる意図を有する購入者に対して販売するための権利を制限していない。」と指摘する。インテルが顧客に対してインテル製品と非インテル製品との組合せに関する通知を行わなければならないという基本契約上の要件を遵守しない場合でも、ライセンス契約の違反とはならず、いずれにしても、製品を製造し、使用し、かつ、販売するためにインテルが有する権利がインテルが当該通知を行うことを条件としていたわけではない。さらに、最高裁は、クオンタの抗弁が特許権消尽に基づいているものであり、黙示のライセンスに基づいているものではないことを理由として、ライセンス契約上の、組合せ特許を実施する権利の第三者へのライセンスに関する特定否認条項は、本件とは無関係であるとした。

条件付き販売により特許権消尽が依然回避可能であるか否かについては不透明

最高裁判所は、LG電子がインテルの販売権を限定すること、またはインテルに対して顧客が自社製品を使用する際の条件付けを義務付けることにより特許権消尽を回避できたか否かの問題には触れず、また、回避できたとしても、販売に有効な条件を付すためには何が要件となるかという点にも触れなかった。連邦巡回控訴裁判所が条件付き販売を1つだけではなく、2つも認めたにもかかわらず、LG電子は、その最高裁での主張において、本件では条件付き販売はなかったと認識し、黙示のライセンスとしての本件の特徴付けに焦点を当てていたようである。予想通り、最高裁は、本件において条件付き販売の根拠を認めず、この問題は取り上げなかった。従って、本判決は、Mallinckrodt事件において連邦巡回控訴裁判所が下した特許権消尽を回避するために条件付き販売の概念の有効性についての指針を示すものではなかった。

判決の意義および未解決の問題

クオンタの判決は、コンピュータ産業はもちろん、特許の保護とその川下市場における特許行使に大きく依存するその他の産業に大きな影響を及ぼすこととなる。方法特許および特許システムの本質的な特徴を実施する部品の販売に特許権消尽論を適用することで、特許権者は、下流の購入者およびユーザーに対しての特許行使を探求しつつ、部品メーカーにライセンス供与することがより困難になる。本件判決の結果、特許権者の中には、下流へのライセンス供与の取組みを見直し、ライセンシーたる部品供給業者に対してその購入者に契約上の制限を課すよう求める(おそらく流通レベルの複数層を通じて)ことを試みる者が出るかもしれない。また、これにより、ライセンス協議における適切なロイヤルティに関する紛争や、契約成立とかかる制限の執行可能性の問題についての紛争がさらに生じる可能性もある。さらに、特許権者は、ますます自己のライセンシーの製品販売権を制限する(例えば、別途ライセンス契約を結んだユーザーに対してのみ販売を認めたり、所定の特許(例えば、システムまたは方法に適用される特許)を許諾特許の範囲から除外したり、またはライセンシーが購入者に(契約上の)条件を課した上で販売を行うよう権利に条件を付けることにより制限する)ことを求めるようになるかもしれない。

今回の判決によるもうひとつの未解決の問題は、条件付き販売の効果とは何かである。すなわち、条件が有効に課されているものの下流のユーザーがその条件を遵守しない場合に、特許権者が特許侵害について訴訟を提起する権利を有するか、または単なる契約違反となるのかという点である。裁判所は、条件付き販売を認めなかったため、この問題を取り上げる必要がなかった。

また、「不提訴の誓約」が販売の許可を意味するものとなるか否かの問題はあいまいなままである。最高裁判所の判断は、インテルがその販売によりライセンス契約に違反しない限りにおいては販売の許可を受けていた点を強調しているため、そのように示唆されているとも考えられるが、この問題について正面からは触れていない。

最高裁の判決の結果として購入者は方法特許および組合せ特許の消尽に関してより高い確実性を持つこととなった一方、今なおリスクおよび未解決の問題が存在する。例えば、特許権消尽は、購入された製品が特許発明における本質的な要素ではない場合や、販売者の販売権限が限定されている場合(購入者はこれを知る由もないかもしれない)には依然として適用されない。よって、購入者は、なおも第三者の特許および販売者の権利について精査を行う必要がある上、より広い範囲の補償を求めることを検討する必要もあるだろう。また、最高裁の判決は、販売された製品が当該特許の実施以外の合理的な用途を有する場合であっても、特許における本質的な特徴を実施する製品の販売であれば特許権消尽を引き起こし得るか否かの点について完全に明らかにしていない。判断基準の作成にあたりUnivis 事件に依拠して、最高裁判所は、Univis 自体が消尽論の要素を従前の黙示のライセンスの問題の要素と混合している様子であることを述べていない。結局のところ、条件付き販売の効果およびそのための要件に関する不透明さが関係者全員に残ることとなった。

注: モリソン・フォースターLLPは、Quanta 事件において、上告人(クオンタ・コンピュータ・インク等)を支持する準備書面を提出したアミカス・キュリエ(法定助言者)のGen-Probe Incorporatedの代理人を務めた。

脚注

[1] ただし、購入者は製品を製造する権利を取得しない。
[2] Intel Corp. v. ULSI Sys. Tech., Inc事件., 995 F.2d 1566, 1568 (Fed. Cir. 1993年).
[3] Mallinckrodt, Inc. v. Medipart, Inc.事件, 976 F.2d 700, 708 (Fed. Cir. 1992年).
[4] 同上 at 709.
[5] 316 U.S. 241 (1942年).
[6] 同上 at 250-251
[7] 黙示のライセンスを認めるため、連邦巡回控訴裁判所は、(1) 当該販売製品は合理的な非侵害使用がなく、かつ、(2) 当該販売の状況がライセンスの供与が推定されることを明白に示している点を確認するための2段階判断基準(two-prong test)を考案した。ただし、裁判所は異なる状況での黙示の特許ライセンスを認めており、時折、別の法理論に依拠することもあり、最近の巡回控訴裁判所判決でも厳格な2段階判断基準からの逸脱を示唆している。
[8] LG Elecs., Inc. v. Asustek, Inc., 248 F. Supp. 2d 912, 917 (N.D. Cal. 2003年).
[9] 同上
[10] LG Elecs., Inc. v. Bizcom Elecs., Inc., 453 F.3d at 1370.
[11] Jazz Photo Corp. v. Int'l Trade Comm'n, 264 F.3d 1094, 1108 (Fed. Cir. 2001年)
[12] 365 U.S. 336 (1961年).


Supreme Court Issues Ruling on Patent Exhaustion in Quanta v. LG Electronics

On June 9, 2008, the U.S. Supreme Court issued its eagerly awaited decision in Quanta Computer, Inc. v. L.G. Electronics, Inc., U.S. Supreme Court No. 06-937 (June 9, 2008). In a unanimous decision delivered by Justice Thomas, the Court reversed the Federal Circuit's decision below and held that an authorized sale of components that are later combined with other components to form a patented system and to practice patented methods results in exhaustion of all patents, including system and method patents, that are substantially embodied in those components. The Court also clarified that a mere notice to customers regarding limited rights as to patents is not effective to avoid patent exhaustion that otherwise results from authorized sales to those customers.

The Supreme Court's ruling clarifies important questions in an area of law marred by uncertainty. The decision provides clearer guidelines to system vendors and other downstream users trying to assess the risk of patent infringement when purchased products are put to their intended use, as well as to sellers of products (and their licensors) seeking clarity as to what extent a sale may result in patent immunity for downstream users. However, the decision leaves some important questions unanswered and does not remove the need for suppliers and purchasers to analyze carefully remaining infringement risks. The decision will also leave patent holders and licensees considering possibilities for limiting or avoiding the effect of patent exhaustion.

Background

At the heart of the Quanta case lie fundamental questions concerning the patent exhaustion doctrine, the "conditional sale" principle, and the implied license doctrine. In recent years, a growing number of decisions by both the Federal Circuit and district courts have inconsistently applied and occasionally conflated these legal principles, resulting in significant legal uncertainty. In particular, the courts have failed to provide clear guidance as to how the doctrines should be applied in cases where a purchased product (whether itself patented or not) is used by the buyer in practicing a method or incorporating the product into a system and the seller (or the seller's licensor) owns patents covering such method or system.

Generally speaking, the patent exhaustion or "first sale" doctrine states that once a patentee has sold a product covered by a patent, the patentee cannot use the patent to prevent the purchaser from using or reselling that product. The patentee's rights to restrict use and further sale are said to be "exhausted."[1] Courts have further held that the "longstanding principle [of patent exhaustion] applies similarly to a sale of a patented product manufactured by a licensee acting within the scope of its license."[2] Consequently, for exhaustion purposes, the "first sale" may be a sale by the patentee or by a third party authorized to sell by the patentee.

Often with the goal of creating additional revenue streams, whether from downstream customers or with respect to different uses of a product, patentees in many industries have tried to limit the effect of the patent exhaustion doctrine by imposing limitations or conditions on purchasers. In its controversial decision in Mallinckrodt, Inc. v. Medipart, Inc.,[3] a case involving a "single use" restriction on a patented medical device, the Federal Circuit established the so called "conditional sale" principle, holding that a seller may limit the applicability of the exhaustion doctrine by placing conditions on the sale of patented products. Remanding the case, the Federal Circuit instructed the district court that, if the sale of the devices was "validly conditioned under applicable law such as the law governing sales and licenses," there is no exhaustion as to uses restricted by the condition and a violation of the condition may be remedied by an action for patent infringement.[4] It remained unclear, however, when exactly a sale could be said to be "validly conditioned."

Absent a valid condition, the exhaustion doctrine clearly applies to apparatus patents covering the product sold. In other cases, however, the law has been less clear, especially where products or components are sold that are not themselves covered by the patents at issue, but are subsequently used by the purchaser in practicing a process covered by a patent of the seller, or where the purchaser combines the product or component with other elements in a system, and the system is covered by a patent of the seller. While some courts have relied on the implied license doctrine to analyze such cases, others, mostly relying on United States v. Univis Lens Co.,[5] have applied the patent exhaustion doctrine where the component sold "embodie[d] essential features of [the] patented invention."[6]

Technological developments, changing patent prosecution strategies, and evolving licensing practices have resulted in increasing uncertainty regarding the scope of the exhaustion and implied license doctrines and their relationship to each other. However, the distinction has important consequences, particularly with respect to the requirement of the absence of non-infringing uses[7] and the patentee's ability to avoid the consequences of exhaustion or an implied license.

The Underlying Agreements and the Decisions Below

LG Electronics ("LGE"), the plaintiff in the Quanta case, owned several patents claiming various aspects of data processing systems and methods performed therein. LGE had licensed Intel to make and sell microprocessors and chipsets that use LGE's patents. The LGE-Intel license expressly stipulated that no license was granted "to any third party for the combination by a third party of Licensed Products...with [non-Intel components]." A separate master agreement required Intel to notify its customers that the license "does not extend, expressly or by implication, to any product that you make by combining an Intel product with any non-Intel product," which Intel did by sending a letter to that effect to its customers. Breach of the master agreement, however, was not grounds for termination of the license agreement. Quanta and the other defendants, that had received the letter, subsequently purchased microprocessors and chipsets from Intel and used them in computer systems by combining them with non-Intel memory and buses. LGE brought suit against the defendants, alleging that the combination of the Intel products with other components in the defendants' computer systems and the operation of such systems infringed LGE patents. LGE did not allege infringement with respect to the microprocessors or chipsets themselves.

The district court held that LGE's rights under its system patents were exhausted as a result of Intel's authorized sale of the microprocessors and chipsets. The court acknowledged that LGE could have avoided exhaustion if the microprocessor and chipset sales had been "conditional sales," but found that the defendants' purchase "was unconditional, in that [their] purchase of microprocessors and chipsets from Intel was in no way conditioned on their agreement not to combine the Intel microprocessors and chipsets with other non-Intel parts . . . ."[8] Specifically, the letter sent by Intel to its customers could not, according to the court, "transform what would otherwise be the unconditional sale of the microprocessors and chipsets into a conditional one."[9]

The Federal Circuit, like the district court, analyzed the issue of infringement of LGE's system patents under the patent exhaustion doctrine (and not the implied license doctrine). The Federal Circuit, however, reversed the district court's holding that LGE's patent rights were exhausted as a result of Intel's sale of the microprocessors and chipsets. Specifically, the Federal Circuit rejected the district court's conclusion that the purchase of the microprocessors and chipsets from Intel was unconditional. The court found that while "Intel [under the LGE-Intel license] was free to sell its microprocessors and chipsets, those sales were conditional, and Intel's customers were expressly prohibited from infringing LGE's combination patents."[10]

The Federal Circuit's holding amounted to a significant erosion of the concept of a "conditional sale" as articulated in Mallinckrodt. In Mallinckrod, the Federal Circuit held that patent exhaustion may be avoided "[i]f the sale . . . was validly conditioned under the applicable law such as the law governing sales and licenses." As recently as 2001, in Jazz Photo, the Federal Circuit stated that a conditional sale requires a contractual agreement between the parties to that effect, explaining that instructions and warnings on the covers of patented cameras were "not in the form of a contractual agreement by the purchaser to limit reuse of the cameras" and that there "was no showing of a 'meeting of the minds' whereby the purchaser . . . may be deemed to have breached a contract . . . to a single use of the camera."[11]

In LG Electronics, however, the Federal Circuit failed to explain how Intel's letter to customers, which merely stated that Intel's license with LGE "does not extend, expressly or by implication to any product that you may make by combining an Intel product with any non-Intel product," could amount to a "meeting of the minds" whereby such customers contractually agreed not to combine chipsets purchased from Intel with non-Intel products. The decision could hardly be reconciled with Mallinckrodt. Rather, it appeared that the Federal Circuit had abandoned the requirement of a conditional sale altogether and was moving towards permitting patentees (and their licensees) to avoid exhaustion based on mere notices or other circumstances of the sale.

With respect to LGE's method patents, the Federal Circuit upheld the district court's finding that the patent exhaustion doctrine was inapplicable and that Intel's notice to its customers defeated the implication of a license.

The Supreme Court's Decision

While the main argument of the parties before the Federal Circuit concerned whether exhaustion with respect to system patents was avoided as a result of a conditional sale, LGE relied on a very different argument in its brief to the Supreme Court and in oral argument. There, LGE primarily asserted that this case is not a patent exhaustion case at all, but should be analyzed under the implied license doctrine with respect to both LGE's system patents and its method patents. In short, LGE argued that exhaustion applies only to patents covering the article sold, here the microprocessor or chipset itself, not to patents covering systems that may be made using the article sold. In other words, LGE presented the case to the Supreme Court as an implied license case and not as an exhaustion and conditional sales case, perhaps because LGE itself was struggling to explain the Federal Circuit's extreme stretch of the conditional sale principle. The Supreme Court was not persuaded by LGE's arguments and applied the patent exhaustion doctrine.

The Patent Exhaustion Doctrine Applies to Method Patents

Reversing the Federal Circuit's holding that the patent exhaustion doctrine is inapplicable to method patents, the Supreme Court held that "[n]othing in this Court's approach to patent exhaustion supports LGE's argument that method patents cannot be exhausted." The Court specifically noted the risk that to hold otherwise would seriously undermine the exhaustion doctrine as patentees could simply draft claims as method claims rather than apparatus claims and thus practically shield any product from exhaustion. The Court emphasized the "danger of allowing such an end-run around exhaustion" for downstream purchasers. Thus, while patented methods may not be sold like articles or devices, the exhaustion doctrine, generally, is still applicable where a product sold embodies the patented method.

The Sale of Products Embodying Essential Features of a Patented Invention Generally Results in Exhaustion

Relying on its Univis Lens decision, the Supreme Court confirmed that the sale of components results in exhaustion of a patent covering the combination of such components with other elements if the components "substantially embod[y]" the patent. The Court relied on two criteria to find that the components "substantially embod[y]" the patent and that exhaustion occurs. First, the component's only reasonable use must practice the patent at issue. The court emphasizes that the inquiry is whether possible alternative uses would not practice the patent, not whether such uses would not infringe the patent. Hence, the Court expressly rejects use outside the country or use as a replacement part as relevant alternative uses because, even though such uses may not infringe the patent, they would still practice it. The Court also notes that disabling the patented features does not constitute a relevant alternative use because it does not constitute a real use at all. Second, the components sold must embody the "essential, or inventive, feature[s]" of the patent at issue. The Court finds this to be the case with respect to the Intel microprocessors and chipsets because "the only step necessary to practice the patent is the application of common processes or the addition of standard parts." While the Intel microprocessors and chipsets did not practice LGE's patents unless attached to memory and buses, such attachments were not "inventive" and only involved standard components with which the microprocessors and chipsets were specifically designed to function. The Court contrasts this situation with the situation in Aro Mfg. Co. v. Convertible Top Replacement Co.,[12] where the combination itself was the only inventive aspect of the patent and no individual element could be viewed as central to or equivalent to the invention. With respect to LGE's patents, by contrast, the Court states that "the inventive part of the patent is not the fact that memory and buses are combined with a microprocessor or chipset; rather, it is included in the design of the Intel Products themselves and the way these products access the memory or bus."

Disclaimers and Intel's Obligation to Notify Customers did not Affect Intel's Authorization to Sell

The Supreme Court also confirmed that the focus in determining whether exhaustion occurs is on whether the sale is authorized by the patent holder. In this case, the Court found that Intel's sales were authorized by LGE. Specifically, the Court notes that "[n]othing in the License Agreement restricts Intel's right to sell its microprocessors and chipsets to purchasers who intend to combine them with non-Intel parts." A failure of the requirement in the master agreement that Intel provide notice to its customers regarding combination of Intel products with non-Intel components would not result in a breach of the license agreement and, in any event, Intel's rights to make, use, and sell products was not conditioned on Intel providing such notice. In addition, the Court found the specific disclaimer in the license agreement of any license to third parties to practice combination patents to be irrelevant because Quanta's defense is based on patent exhaustion, not on an implied license.

It is Unclear if Patent Exhaustion Can Still be Avoided by Making Conditional Sales

The Supreme Court never reaches the questions of whether LGE could have avoided patent exhaustion by limiting Intel's authority to sell or requiring Intel to place conditions on its customers' use of its products and, if so, what would be required for a sale to be validly conditioned. While the Federal Circuit found not one, but two conditional sales, LGE, in its Supreme Court argument, seemed to acknowledge that, in this case, there was no conditional sale, focusing instead on the characterization of the case as an implied license case. Not surprisingly, the Court saw no basis for a conditional sale in this case and did not address the issue. Thus, the decision does not provide guidance on the viability of the concept of conditional sales to avoid exhaustion as sanctioned by the Federal Circuit in Mallinckrodt.

Significance of the Decision and Open Issues

The Quanta decision will have a significant impact on the computer industry as well as other industries heavily relying on patent protection and enforcement in downstream markets. The application of the patent exhaustion doctrine to method patents and the sale of components embodying essential features of a patented system will make it more difficult for patent holders to license component manufacturers while still seeking to enforce their patents against downstream purchasers and users. As a result of the decision, patent holders may refocus their licensing efforts downstream or attempt to require component supplier licensees to impose contractual restrictions on buyers, possibly through multiple levels of distribution. This may result in more disputes concerning appropriate royalties in licensing discussions as well as questions of contract formation and enforceability with respect to such restrictions. In addition, patent holders may increasingly seek to limit their licensees' authority to sell products, e.g., by permitting them only to sell to separately licensed users, by excluding certain patents (e.g., those applicable to systems or methods) from the scope of licensed patents, or by conditioning the licensee's right to sell on imposing (contractual) conditions on purchasers.

Another question unresolved by the decision is what the effect of a conditional sale is--that is, whether the patent holder has a right to sue for patent infringement or merely breach of contract if a condition is validly imposed but the downstream user does not comply with the condition. The Court did not need to address this issue because it did not find a conditional sale.

Also unsettled remains the question whether a "covenant not to sue" amounts to an authorization to sell. The Supreme Court's decision might suggest so when it emphasizes that Intel was authorized to sell as long as its sales did not amount to a breach of its license agreement, but it does not squarely address the issue.

While purchasers have more certainty regarding exhaustion of method and combination patents as a result of the Court's decision, there are still risks and unanswered questions. For example, exhaustion still does not apply if the product purchased is not an essential element of the patented invention or if the seller's authority to sell was limited (which the purchaser may have no way of knowing). Thus, purchasers still need to conduct diligence on third party patents and their sellers' rights and may want to consider requesting broader indemnification rights. The Court's decision is also not entirely clear on whether the sale of products embodying essential features of a patent can trigger exhaustion even where the product sold has reasonable uses other than practicing such patent. In relying on Univis in formulating its test, the Supreme Court does not discuss the fact that Univis itself appears to mix elements of the exhaustion doctrine with elements of the traditional implied license inquiry. Finally, for all parties involved there remains uncertainty with respect to the effect of, and requirements for, conditional sales.

Note: Morrison & Foerster represented amicus curiae Gen-Probe Incorporated in the Quanta case, which filed a brief in support of petitioners Quanta Computer, Inc., et al.

Footnotes

[1] The purchaser does not, however, acquire a right to make the product.
[2] Intel Corp. v. ULSI Sys. Tech., Inc., 995 F.2d 1566, 1568 (Fed. Cir. 1993).
[3] Mallinckrodt, Inc. v. Medipart, Inc., 976 F.2d 700, 708 (Fed. Cir. 1992).
[4] Id. at 709.
[5] 316 U.S. 241 (1942).
[6] Id. at 250-251.
[7] To find an implied license, the Federal Circuit has formulated a two-prong test requiring that (1) the product sold has no reasonable non-infringing uses, and (2) the circumstances of the sale plainly indicate that the grant of a license should be inferred. However, courts have implied patent licenses under different circumstances, sometimes relying on different legal theories, and recent Federal Circuit decisions also indicate a departure from the strict two-prong test.
[8] LG Elecs., Inc. v. Asustek, Inc., 248 F. Supp. 2d 912, 917 (N.D. Cal. 2003).
[9] Id.
[10] LG Elecs., Inc. v. Bizcom Elecs., Inc., 453 F.3d at 1370.
[11] Jazz Photo Corp. v. Int'l Trade Comm'n, 264 F.3d 1094, 1108 (Fed. Cir. 2001)
[12] 365 U.S. 336 (1961).

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