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2008. 10.08

米国連邦巡回控訴裁判所 特許局の判断を支持

Tokyo Litigation Client Bulletin

東京訴訟部
マックス・オルソン  マーク・ダーニー  クレイグ I. セルニカ  ピーター J. スターン  ルイーズ・ストゥープ  一色 太郎  
ダニエル P. レヴィソン


PDF版は こちら
Please click here for English version.

 

(参考訳)

執筆者 パン・チェン

先般の連邦巡回控訴裁判所の判決により、事実上、特許侵害訴訟の被告が、2つの機会を並行利用して特許権の有効性を争うことが可能になった。つまり、裁判所と米国特許商標庁(「PTO」)である。そして、PTOにおいては裁判所よりも低い立証基準が適用される。

2008年9月4日のSwanson事件において、連邦巡回控訴裁判所は、原審査において、さらにまた、訴訟の早期段階で既に検討された先行技術文献に基づき、再審査手続において特許クレームを無効とした特許審判抵触部の決定を支持した。判決では、米国法典第35編第303条第(a)項(35 U.S.C.§303(a))の2002年の改正以降、再審査手続において適用されている「特許性に関する実質的な新たな問題」の要件の範囲が明らかにされた。具体的にいうと、連邦巡回控訴裁判所は、過去の訴訟および原審査において既に検討されている先行技術文献であっても、これに基づき、再審査において特許性に関する新たな問題を認定することが妨げられるものではないとしたのである。

背景

1998年、Abbott Laboratoriesは、側方流動免疫測定法に関する2つの特許(米国特許第5,073,484 (「484号特許」)を含む)を侵害しているとしてSyntron Bioresearchを提訴し、地方裁判所は、略式判決によりSyntronの妊娠検査キットは当該特許のうちの一つを侵害しているとの判決を下した。これを受けてSyntronは、モリソン・フォースターに再審理の申立を依頼し、これが認められ、トライアルへと進んだ。陪審員は、主張されているクレームの侵害はないとの評決を下したが、Abbottの特許は無効であるとの認定はしなかった。連邦巡回控訴裁判所は控訴審において、484号特許の1つの用語の解釈を除いたすべての点について、地方裁判所の判断を支持した。

連邦巡回控訴裁判所の判決が下された後、PTOは、モリソン・フォースターによる、484号特許に関する再審査請求を認めた。地方裁判所は差戻し審で、判事によるトライアルを行い、修正されたクレーム解釈に基づき、Syntronは484号特許を侵害していると判決した。地方裁判所は、再審査の結果が出るまで差止命令を留保した。この地方裁判所の判決後、両当事者は、Syntronが当初提案していた条件での和解をなした。

再審査の過程で、審査官は、原審査と訴訟の早期段階の双方において検討されたいくつかの先行技術文献(米国特許第4,094,647 (「Deutsch特許」)を含む)に基づき、新規性と自明性が欠如しているとして、484号特許のクレームを拒絶した。PTOの特許審判抵触部は、この審査官の拒絶査定を支持した。

連邦巡回控訴裁判所の判断

特許権者は、当該特許審判抵触部の審決を不服として連邦巡回控訴裁判所に控訴した。連邦巡回控訴裁判所は、「本控訴」は、2002年の改正以降すべての再審理手続において適用されている「特許性に関する実質的な新たな問題」の要件の範囲に関して、「先例のない問題を提起している」とした。

特許権者は、過去の訴訟でDeutsch特許については検討されているので、再審査においてその特許性に関する新たな問題を認定することはできないと主張した。連邦巡回控訴裁判所は、改正後の米国法典第35編第303条第(a)項(U.S.C.§303(a))の条項の文言および立法経緯、ならびに裁判所における民事訴訟とPTOにおける再審査とのいくつかの重要な違いをもとにこの主張を退けた。民事訴訟においては、特許クレームの有効性にチャレンジする場合、当該特許が無効であるという明らかな、かつ、説得力のある証拠をもって、その有効性に関する推定を覆さなければならない。これに対してPTOにおける再審査では、立証基準-証拠の優越-がかなり低い。有効性の推定はなく、クレームに対して、明細書に従ってもっとも広く合理的な解釈がなされるのである。連邦巡回控訴裁判所は、「第303条の条項の文言および立法経緯、ならびに2つの手続の違いによれば、連邦議会は、クレームの有効性を支持する先行判決により、PTOが、PTOにより検討されたことのない問題に関する有効性について、実質的な新たな問題を認定することを妨げることを意図していたのではないと結論づけられる」と述べた。

特許権者はまた、「この法律解釈-[憲法]第3条に定める裁判所が特許クレームの有効性を支持した後に、行政機関がかかる特許クレームを無効と認定することを認めるもの-は、憲法で定めた権力分立に反するものであるから避けなければならない」と主張した。連邦巡回控訴裁判所は、「484号特許について、再審査により審査官がクレームを拒絶したことは、本裁判所の従前の判示を妨げるものではない」としてこの主張を退けた。連邦巡回控訴裁判所は、「『特許性に関する実質的な新たな問題』の正しい解釈は、PTOにより検討されたことのない問題をいうのであって、連邦裁判所が過去に検討したことがある問題であっても、実質的な新たな問題となり得る」と結論づけた。

特許権者はさらに、Deutsch特許については、PTOの原審査において検討されているため、再審査において特許性に関する実質的な新たな問題を認定することはできないと主張した。特許権者は、連邦巡回控訴裁判所は、「特許の原審査においてクレームの拒絶に使用された文献のみに基づき、再審査においてクレームを拒絶することはできない」という明確なルールを採用すべきと主張した。連邦巡回控訴裁判所は、かかるルールは、「特許性に関する実質的な新たな問題の存在は、ある特許や刊行物が特許庁により既に引用され、または検討されている事実でもって否定されることはない」と定めた改正後の第303条第(a)項の文言に明らかに矛盾しているとして、この主張を退けた。

連邦巡回控訴裁判所は、「2002年の改正は、新たな問題について、対象となる文献が過去に検討されたことがあるか否かという観点に焦点を当てるのではなく、再審査において当該文献により提起される特許性に関する特定の問題が、過去PTOにより評価されているか否かという点に焦点を当てるのである」と述べている。本件についていえば、Deutsch特許は、クレームされた具体的な分析方法を教示し、またそれを自明なものとする主要文献として評価されたのではなく、むしろ一般的に免疫反応について説明するという限定的な目的のための二次的な文献として依拠されたにすぎない。連邦巡回控訴裁判所は、「審査官が最初の審査においてDeutsch特許を検討した際の非常に限定された目的に照らして、Deutsch特許が、第22、23および25クレーム[本控訴の対象クレーム]で開示された方法より先行するものであるか否かという問題は、PTOが過去に考慮していない特許性に関する実質的な新たな問題であるとした特許審判抵触部の審決は正しい」と結論づけている。

連邦巡回控訴裁判所の判決が意味するもの

連邦議会は、再審査手続をPTOにおける品質管理のメカニズムとして構築した。再審査において特許の有効性にチャレンジするのは、訴訟で無効とすべくチャレンジするよりもはるかに多くの利点がある。例えば、再審査手続においては、有効性の推定がなく、クレームに対して、明細書に従って最も広く合理的な解釈がなされる。立証基準-証拠の優越-が、訴訟における明らかな、かつ、説得力のある証拠という基準と比較してかなり低い。さらに、一般的に、再審査において特許の有効性にチャレンジする方が、訴訟で無効とすべくチャレンジするよりも費用効率が高い。当事者間の再審査手続とPTOにおける中央再審査機関の構築に伴い、近年再審査の利用が着実に増加している。

「特許性に関する実質的な新たな問題」の基準の2002年の改正以降、再審査において「特許性に関する実質的な新たな問題」の要件を示すのに使用できる先行技術文献に関する問題が未解決のままであった。本控訴において、連邦巡回控訴裁判所は、「特許性に関する実質的な新たな問題」とは、PTOにより過去に検討されたことがない問題をいうこと、また、連邦裁判所が過去に検討したことがある問題であっても、実質的な新たな問題となり得るということを明らかにした。さらに連邦巡回控訴裁判所は、ある問題が原審査においてPTOにより検討されたか否かを検証するにあたり問題となるのは、「当該文献が過去に検討されたか否か」ではなく、「再審査において当該文献により提起される特許性に関する特定の問題が、過去にPTOにより評価されたか否か」であることを明確に示した。

実質的な新たな問題の要件に関するPTOの広範な見解を支持することにより、連邦巡回控訴裁判所は、地方裁判所において無効とすべくチャレンジする方法に代わるものまたはこれを補完するものとして、再審査の魅力を高めている。


Federal Circuit Gives Big Nod to the Patent Office

By Peng Chen

A recent Federal Circuit decision effectively provides defendants in patent infringement suits with two parallel chances for challenging validity of asserted patents: in court and in the U.S. Patent and Trademark Office, which applies a lower evidentiary standard than a court proceeding.

In its September 4, 2008 ruling in In re Swanson, the Federal Circuit affirmed a decision of the Board of Patent Appeals and Interferences, in which the Board invalidated patent claims in a reexamination proceeding based on a prior art reference that had been considered in the original examination as well as earlier phases of the litigation. The ruling clarified the scope of the "substantial new question of patentability" requirement used in reexamination proceedings since a 2002 amendment of 35 U.S.C. § 303(a). Specifically, the Federal Circuit held that consideration of a prior art reference in the previous litigation and in the original examination does not preclude a finding of a new question of patentability based on the same prior art reference in reexamination.

Background

In 1998, Abbott Laboratories sued Syntron Bioresearch for alleged infringement of two lateral flow immunoassay patents, including U.S. patent No. 5,073,484. The district court ruled on summary judgment that Syntron's pregnancy test kits infringed one of the two asserted patents. Syntron then hired Morrison & Foerster, which filed a motion for reconsideration. We won the motion and the case proceeded to trial. The jury returned a verdict of non-infringement of the asserted claims, but held that Abbott's patents were not invalid. On appeal, the Federal Circuit affirmed the orders of the district court, except for the construction of a single term in the '484 patent.

After the Federal Circuit's decision, the PTO granted Morrison & Foerster's reexamination request of the '484 patent. On remand, the district court held a bench trial and found that Syntron infringed the '484 patent based on the revised claim construction. The district court stayed an injunction pending the outcome of the reexamination. After the district court's decision, however, the parties settled on the terms Syntron had originally proposed.

As the reexamination proceeded, the examiners rejected the claims of the '484 patent for lack of novelty and obviousness based on several prior art references, including U.S. patent No. 4,094,647 (the "Deutsch patent"), which was considered in both the original examination and earlier phases of the litigation. The Board of Patent Appeals and Interferences in the PTO affirmed the examiners' rejection.

The Federal Circuit's Decision

The patentee appealed the Board's decision to the Federal Circuit. The Federal Circuit stated that "this appeal presents issues of first impression" on the scope of the "substantial new question of patentability" requirement used in all reexamination proceedings since the 2002 amendment.

The patentee argued that consideration of the Deutsch patent in the previous litigation precludes a finding of a new question of patentability for purposes of the reexamination. The Federal Circuit rejected this argument based on the statutory language and legislative history of the amended 35 U.S.C. § 303(a), as well as several key differences between civil litigation in court and reexamination in the PTO. In civil litigation, a challenger who attacks the validity of patent claims must overcome the presumption of validity with clear and convincing evidence that the patent is invalid. By contrast, the standard of proof - a preponderance of evidence - is substantially lower in PTO reexaminations. There is no presumption of validity and claims are given their broadest reasonable interpretation consistent with the specification. The Federal Circuit stated that "[s]ection 303's language and legislative history, as well as the differences between the two proceedings, lead us to conclude that Congress did not intend a prior court judgment upholding the validity of a claim to prevent the PTO from finding a substantial new question of validity regarding an issue that has never been considered by the PTO."

The patentee also argued that "this reading of the statute - allowing an executive agency to find patent claims invalid after an Article III court has upheld their validity - violates the constitutionally mandated separation of powers, and therefore must be avoided." The Federal Circuit rejected this argument because "the examiner's rejection of claims in the '484 patent pursuant to reexamination does not disturb this court's earlier holding." The Federal Circuit concluded that "[a]s properly interpreted a 'substantial new question of patentability' refers to a question which has never been considered by the PTO; thus, a substantial new question can exist even if a federal court previously considered the question."

The patentee further argued that consideration of the Deutsch patent during original examination in the PTO precludes a finding of a new question of patentability for the purposes of the reexamination. The patentee urged the Federal Circuit to adopt a bright-line rule that "would preclude rejections in reexaminations based solely on references used in a rejection of claims in the original patent prosecution." The Federal Circuit declined the invitation because such a rule would be plainly inconsistent with the clear text of the amended Section 303(a), which now mandates that "the existence of a substantial new question of patentability is not precluded by the fact that a patent or printed publication was previously cited by or to the Office or considered by the Office."

The Federal Circuit stated that "[t]he 2002 amendment removes the focus of the new question inquiry from whether the reference was previously considered, and returns it to whether the particular question of patentability presented by the reference in reexamination was previously evaluated by the PTO." In the present case, the Deutsch patent was not evaluated as a primary reference that taught or made obvious the specific analytical method claimed, but rather was relied on as a secondary reference for the limited purpose of teaching immunoreactions in general. The Federal Circuit concluded that "[i]n light of the extremely limited purpose for which the examiner considered Deutsch in the initial examination, the Board is correct that the issue of whether Deutsch anticipates the method disclosed in claims 22, 23, and 25 [the claims at issue in this Appeal] was a substantial new question of patentability, never before addressed by the PTO."

Implications of Federal Circuit Ruling

Congress established reexamination proceedings as a quality control mechanism in the PTO. Challenging the validity of a patent in reexamination has numerous advantages compared with an invalidity challenge in litigation. For example, in reexamination proceedings, there is no presumption of validity and claims are given their broadest reasonable interpretation. The standard of proof - a preponderance of evidence - is substantially lower than the clear and convincing standard in litigation. Challenging the validity of a patent in reexamination is also generally more cost effective than an invalidity challenge in litigation. With the establishment of the inter partes reexamination procedure and a central reexamination unit in the PTO, the use of reexamination has been increasing steadily in recent years.

Since the 2002 amendment to the "substantial new question of patentability" standard, questions have lingered about the prior art references that can be used to show the requisite "substantial new question of patentability" in reexamination. In this appeal, the Federal Circuit clarified that a "substantial new question of patentability" refers to a question that has never been considered by the PTO, and that a substantial new question can exist even if a federal court previously considered the question. The Federal Circuit further clarified that, when examining whether a question has been considered by the PTO in the original examination, the test is not "whether the reference was previously considered," but rather "whether the particular question of patentability presented by the reference in reexamination was previously evaluated by the PTO."

By endorsing the PTO's broad view of what qualifies as a substantial new question, the Federal Circuit has reinforced the attractiveness of reexamination as an alternative or supplement to district court invalidity challenges.

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