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2009. 12.29

米国政府のFCPA執行、ライフサイエンス企業に重点

Tokyo Litigation Client Bulletin

東京訴訟部
マックス・オルソン  マーク・ダーニー  クレイグ I. セルニカ  ピーター J. スターン  ルイーズ・ストゥープ  一色 太郎  
ダニエル P. レヴィソン  ジャック・ロンデン


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(参考訳)

 

執筆者 ランダル J. フォンズ / ブライアン ネイル ホフマン

 

2009年11月12日、米司法省刑事局司法次官補のLanny Breuer氏は、司法省が「今後、数ヶ月、数年の長期にわたって、国外腐敗行為防止法(別名「FCPA」)の医薬品業界への適用に重点的に取り組む」と発表した。FCPA執行訴訟は、これまでも主に医療機器企業を相手取って行われてきた。司法省のこの動きに鑑み、ライフサイエンス企業は、FCPA遵守の取組みを積極的に検討し活性化する必要があるものと思われる。

外国での贈収賄を禁じるFCPA

端的にいうと、FCPAは特に、事業の獲得またはつなぎ留めを目的とした外国公務員への贈賄またはその試みを禁じている。現金、贈答品、慈善寄附、旅行、食事、接待、譲与、講演料、謝礼金、およびコンサルタント料の支払いなどがこの潜在的な違反行為に含まれる。FCPAは、公務員への支払いや獲得する事業の金額について、その大きさの閾値を設けていない。公務員への支払いについては一定の宥恕規定が定められているものの、この例外の解釈は限定的でありその適用も極めて稀である。FCPA執行については、司法省と米証券委員会(SEC)が共同でその責任を負う。

製薬産業を中心とするFCPA執行の取組み

Breuer氏は、米政府の「FCPA執行についての重点的な取組みとその決意に揺るぎはなく」、製薬業界に見られる「外国での贈収賄の根絶に集中的に取り組む」と語った。製薬業界には、FCPA違反のリスクを増大させるいくつかの特徴がある。

第一の特徴は、米国外での医薬品売上高が大きく、外国公務員との接触が頻繁に行われることである。Breuer氏は「1,000億ドル近く、すなわち[この米国産業の]売上高総額の約3分の1が米国外の地域での売上であり、これら米国外の地域では米国と比べ、医療制度の規制、運営および経済的支援にかかる政府機関の関与がはるかに深い」と指摘している。

第二に、保健医療産業においては、関係者の誰が外国公務員かを判断することが困難な場合が多いことである。誰の目にも明らかな公務員(厚生省や税関の職員など)はともかく、外国公務員には、一見してわからない者(国営施設で雇用されている医師、薬剤師、検査技師その他の専門家など)が含まれる場合もある。例えば、Syncor Taiwan, Inc.(台湾欣科公司)は2002年12月、台湾の国営病院の医師に対して放射性医薬品販売を促す目的で贈賄を行ったとして刑事責任を問われた事件で和解金を支払った。また2008年6月には、米AGA Medical Corporationが、中国の国営病院の医師に対して先天性心臓欠陥治療用の製品の購入を促すための贈賄を行ったとして刑事責任を問われた事件で、和解金を支払っている。

第三に、「業界内の熾烈な競争と多くの国家指定処方薬剤の閉鎖性」のため、違法な「近道」を選ぶリスクが高まることである。保健・医療関連の外国公務員に対して特定の製品の購入を勧めることは、それだけで不正な勧誘とみなされかねない。特に、「見返り」を常識または当然と考える国や文化においてはなおさらである。例えば、ある大手製薬会社は2004年6月、ポーランドの政府高官(国内の病院への医薬品調達の責任者)が力を入れている慈善団体に金銭を支払ったことに関するSECによる執行訴訟において和解金を支払っている。

第四は、企業によっては海外の仲介業者を使う場合もあることである。これらは合弁事業、販売代理店、代理店、コンサルタントその他仲介者の形態をとる場合があるが、十分な精査と統制をもって臨まなければ、仲介者の利用はFCPA上のリスクを高める可能性がある。例えば、ある米国企業は、ヨルダンとレバノンに拠点を置くコンサルタントを通じてイラク高官に対して贈賄を行ったとして責任を問われ、FCPA民事訴訟事件で和解金を支払った。また、企業は外国子会社の行為についても責任を負う場合がある。例えば、2005年5月に、ある米国企業とその中国子会社は、当該子会社が診断テストシステムとキットの販売を促すために中国の国営病院の従業員に違法な「手数料」を支払ったとする、FCPAによる民事訴訟および刑事訴訟において和解金を支払っている。

FCPA執行は医療機器企業にも焦点をあてている

司法省は製薬会社に重点を置くと発表したが、製薬会社が政府のライフサイエンス分野におけるFCPA執行の最初のターゲットというわけではない。これまでのFCPA執行対象には、上記に例証したように、医療機器企業も含まれている。さらに2007年と2008年の両年には、司法省とSECが、整形外科用インプラントのメーカー数社、およびドイツ、ギリシャ、ポーランドを含む数ヶ国の公務員医師に対する贈賄について調査を行った。また2007年9月には、米イムコア社の社長兼COOが、血液分析装置の販売と業務提供の契約締結に便宜を図った見返りとしてイタリアの公共病院の理事長に不適切な支払いを行ったとするSEC訴訟で和解金を支払っている。

件数および強引さを増すFCPA執行

SECと司法省によるFCPA関連の摘発件数は過去5年間において増加の一途をたどっている。2005年から現在まで、司法省による摘発件数は57件に上り、これはBreuer氏によると「1977年のFCPA制定から2005年までのおよそ30年間における摘発総数を上回る」ものである。また、SECは2005年から現在にかけて、これまでに類を見ない数の摘発を行ってきている。Breuer氏によると、このほかに政府は現在、120件超もの事件を追跡中であるという。両当局およびFBIはそれぞれFCPAの専門チームを立ち上げ、また司法省は同省の保健医療詐欺担当グループの知見を活用し、「複雑になりがちなこれらの事件の調査・訴追を積極的に遂行するための能力の大幅な増強」を目指している。

FCPAの執行案件の解決にかかる代償ははますます増加している。最近広く報道されている、SECおよび司法省によるFCPA関連の数々の和解事件では、外国公務員への違法な贈賄を通じて獲得した事業からの不正利得の返還額は、民事・刑事の罰金と合わせると、数億ドルにも上ることが示された。

また、FCPA違反についてSECおよび司法省の調査・起訴対象となる個人の数は増加の一途をたどっている。Breuer氏はこれについて「[FCPA違反の]効果的な抑止には最低限必要である」としている。司法省は今年、個人を対象としたいくつかのFCPA措置を公表した。SEC高官の公式発言も同様に、不正を行った個人を追及することへの意欲を強調したものであった。一例として、2007年、SECはSyncor International Corp.の初代会長であるMonty Fu氏と和解を成立させたが、これは、上記のとおり国営病院の医師に不正な手数料を支払ったとするFCPA違反の容疑につき同社およびその外国子会社と和解が成立してからおよそ5年後のことであった。同様に、2009年7月、SECは、FCPA執行案件につきある会社の役員2名を提訴したが、これは、専ら当該役員が会社の内部統制および会計帳簿を「管理統制する立場にある者」であったとして、その2名の役員が責を負うとするものであった。

ライフサイエンス企業はFCPA関連のリスクおよびコストの最小化を図るべき

第一に、Breuer氏の述べるとおり、「全ての企業がFCPA方針を備え、それを忠実に執行するべき」である。この方針は、単なる書面以上のものでなければならない。企業はその方針を全世界的に実行するとともに、研修、監視および検査を常に実施する必要がある。また企業は、トップがコンプライアンスを最優先に掲げてかかる方針を支援しなければならない。十分な管理統制が実施されなければ、FCPAに基づく負担が増大することとなる。たとえば、2009年5月には、メリーランド州を本拠とするある親会社が、その子会社(カリフォルニア州)が承認しエジプトの公務員に対して行ったとされる不法な贈賄を見抜くための十分な統制機能を有していなかったことを一因としてFCPA違反で提訴されている。

第二に、企業は外国事業につき可能な限り報告を求めるべきである。特に、取引相手に役人とのつながりがないかを見極め、そして第三者を雇用する際は、事前に身元調査、聴取り調査および照会を通じて可能な限りの情報を収集する必要がある。また、FCPA違反を禁止し、第三者による監査を認める特定の契約条項を設けることでリスクを低減できることがある。

第三に、潜在的なFCPA問題を発見したライフサイエンス企業は、かかる問題を十分に調査しこれに対処する必要がある。政府が自社の問題を発見するのを待っていたのでは、被害を悪化させることとなる可能性がある。Breuer氏は、企業に「違反の自発的な開示を真剣に検討する」よう推奨しており、同氏もSECも共に、自らFCPA問題を開示した企業には「大きなメリット」を約束している。実際、Breuer氏は「自発的な開示を行った企業は処分を全く受けないか、またはより好ましい処分の確定を受けることができる」と述べている。また企業は、司法省とSECの調査に協力することを「真剣に検討」すべきである。ここでもまた、両当局は企業の協力に対し「大きなメリット」を繰り返し約束している。さらに、FCPA問題を発見した企業は自己改善を検討する必要がある。Breuer氏もSECも、企業が「問題を改善し再発防止の措置を講じる」ことが企業の「利益につながる」ことを約束している。

モリソン・フォースターは当該分野において経験に裏打ちされた助言を提供しています。

今日、ライフサイエンス企業は潜在的なFCPA問題をおろそかにするわけにはいきません。当事務所は、ライフサイエンス企業による世界的な総合FCPA遵守プログラムの策定、精査および実施をお手伝いし、そして万が一潜在的なFCPA問題が生じた場合には、ライフサイエンス企業による複雑な問題への対処を支援する体制を整えております。


Government FCPA Enforcement "Intensely Focused" on Life Sciences Companies

By Randall J. Fons / Brian Neil Hoffman

On November 12, 2009, Lanny Breuer, Assistant Attorney General for the Criminal Division of the Department of Justice, warned that in the "months and years ahead," the Department of Justice will focus on "the application of the Foreign Corrupt Practices Act (or ‘FCPA') to the pharmaceutical industry." Previous FCPA enforcement actions also have focused on medical device companies. Given this DOJ initiative, life sciences companies should actively review and reinvigorate their FCPA compliance efforts.

The FCPA Prohibits Foreign Bribery.

Put simply, the FCPA prohibits, among other things, the actual or attempted bribery of foreign government officials in order to assist in obtaining or retaining business. Potentially violative payments include cash, gifts, charitable donations, travel, meals, entertainment, grants, speaking fees, honoraria, and consultant arrangements. The FCPA does not contain a materiality threshold as to the size of the payment to the government official or the amount of business obtained. While there are some safe harbors for payments to foreign officials, these exceptions are narrowly construed and apply only rarely. The DOJ and Securities and Exchange Commission share FCPA enforcement responsibility.

FCPA Enforcement Efforts Will Focus on the Pharmaceutical Industry.

Mr. Breuer said that the government's "focus and resolve in the FCPA area will not abate, and we will be intensely focused on rooting out foreign bribery" in the pharmaceutical industry. Several attributes of this industry contribute to an increased risk for FCPA violations.

First, pharmaceutical sales outside the U.S. are significant and involve frequent contact with foreign government officials. Mr. Breuer noted that "close to $100 billion dollars, or roughly one-third, of total sales for [the U.S. industry] were generated outside of the United States, where health systems are regulated, operated, and financed by government entities to a significantly greater degree than in the United States."

Second, it is often difficult to identify foreign government officials in the health care industry. As well as the obvious officials - e.g., health ministry and customs officials - foreign government officials may include the less obvious - e.g., doctors, pharmacists, lab technicians, and other professions employed by state-owned facilities. In December 2002, for example, Syncor Taiwan, Inc., settled criminal charges that it paid physicians employed by state-owned hospitals in Taiwan to induce the sale of radiopharmaceuticals. And in June 2008, AGA Medical Corporation settled criminal charges for payments it made to physicians employed by Chinese state-owned hospitals to induce the purchase of products to treat congenital heart defects.

Third, "fierce industry competition and the closed nature of many public formularies" heightens the risk of illegal "short-cuts." Persuading foreign health care officials to purchase specific products may quickly turn to improper inducement, particularly in countries or cultures where a quid pro quo is commonplace or expected. For example, in June 2004, a large pharmaceutical company settled an SEC enforcement action alleging payments to the favorite charity of a Polish governmental official responsible for purchasing pharmaceutical products for the country's hospitals.

Fourth, some companies employ overseas intermediaries. These might take the form of joint ventures, distributors, agents, consultants, or other facilitators. Absent sufficient due diligence and controls, intermediaries can heighten FCPA risks. For example, a U.S. company settled civil FCPA charges resulting from payments of bribes to Iraqi officials by "consultants" based in Jordan and Lebanon. Companies may also be liable for the actions of their foreign subsidiaries. In May 2005, for example, a U.S. company and its Chinese subsidiary settled civil and criminal FCPA actions alleging that the subsidiary paid illegal "commissions" to employees of Chinese state-owned hospitals to induce the sale of diagnostic testing systems and kits.

FCPA Enforcement Also Focused on Medical Device Companies.

The DOJ's announcement that it intends to focus on pharmaceutical companies is not the government's first foray into FCPA enforcement in the life sciences area. Previous enforcement efforts also have involved medical device companies, as noted in several of the examples cited above. Additionally, in 2007 and 2008 both the DOJ and SEC investigated orthopedic implant manufacturers and payments to government-employed physicians in several countries, including Germany, Greece, and Poland. And in September 2007, the president and COO of Immucor, Inc., settled an SEC action alleging improper payments to the director of a public hospital in Italy in exchange for favorable consideration of a contract to provide blood analysis products and services.

FCPA Enforcement Matters Are Increasingly Numerous and Aggressive.

In the last five years, the SEC and DOJ brought an increasing number of FCPA cases. From 2005 to the present, the DOJ brought 57 cases, which Mr. Breuer explained is "more than the number of prosecutions brought in the almost 30 years between the enactment of the FCPA in 1977 and 2005." The SEC also brought more cases between 2005 and the present than it did in its prior history. According to Mr. Breuer, the government is currently pursuing more than 120 additional investigations. Both agencies, as well as the FBI, have developed specialized FCPA teams, and the DOJ will use the expertise of its health care fraud group to "significantly enhance[] [its] ability to proactively investigate and prosecute these often complex cases."

Resolving FCPA enforcement matters is increasingly expensive. Well-publicized recent FCPA settlements with the SEC and DOJ demonstrate that disgorgement of profits earned from business obtained through illegal bribery of foreign government officials, when added to civil and criminal sanctions, can cost hundreds of millions of dollars.

The SEC and DOJ are increasingly investigating and prosecuting individuals for FCPA violations. According to Mr. Breuer, "[e]ffective deterrence requires no less." The DOJ publicized several FCPA actions against individuals this year. SEC officials' public comments likewise stressed a willingness to pursue culpable individuals. In 2007, for example, the SEC settled with Monty Fu, the founding chairman of Syncor International Corp., nearly five years after, as described above, the company and its foreign subsidiary settled FCPA claims alleging improper commissions paid to physicians of state-owned hospitals. Likewise, in July 2009, the SEC filed an action that claimed that two officers were liable for their company's alleged FCPA violations solely because the officers were "control persons" over the company's internal controls and its books and records.

Life Sciences Companies Should Seek to Minimize Their FCPA Risks and Costs.

First and foremost, as Mr. Breuer noted, "every company should have a rigorous FCPA policy that is faithfully enforced." The policy must be more than mere paper. Companies must implement their policies globally and accompany them with frequent training, oversight, and testing. Companies should also support their policies with a compliance-oriented tone at the top. Failing to implement sufficient controls could result in greater FCPA liability. In May 2009, for example, a Maryland-based parent company was charged with violations of the FCPA in part because the company did not have sufficient controls to detect alleged illegal bribes approved and paid by its California-based subsidiary to Egyptian government officials.

Second, companies should seek to be as informed as possible about their overseas business. Companies should identify any government connections of individuals with whom they are dealing. And before hiring third parties, companies should gather as much intelligence as possible through background checks, interviews, and references. Specific contractual provisions prohibiting FCPA violations and allowing audits of the third parties may also help reduce risks.

Third, life sciences companies that discover potential FCPA issues should fully investigate and address the issues. Waiting for the government to discover issues on its own may compound the harm. Mr. Breuer recommended that companies "should seriously consider voluntarily disclosing the violation." Mr. Breuer and the SEC have both promised "meaningful credit" for self-disclosure of FCPA issues. Indeed, Mr. Breuer said that "a voluntary disclosure may result in no action being taken against a company, or the company may secure other preferred dispositions." Companies should also "seriously consider" cooperating with DOJ and SEC investigations. Again, both agencies repeatedly promised companies a "meaningful benefit" for their cooperation. Further, companies discovering FCPA issues should consider self-remediation. Both Mr. Breuer and the SEC promised that companies will "benefit" if they "remediate the problem and take steps to ensure that it does not recur."

Morrison & Foerster Provides Experienced Counsel in These Areas.

In today's environment, life sciences companies cannot afford to ignore potential FCPA matters. Morrison & Foerster can help life sciences companies craft, review, and implement a comprehensive global FCPA compliance program. And in the unfortunate event that a potential FCPA problem arises, Morrison & Foerster is well positioned to help life sciences companies work through the complex issues.

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