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2010. 07.22

内部告発者規定の制定によるFCPA執行拡大の可能性

東京訴訟部
マックス・オルソン  クレイグ I. セルニカ  ピーター J. スターン  ルイーズ・ストゥープ  一色 太郎  
ダニエル P. レヴィソン  ジャック・ロンデン  スティーブンE. コマー


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(著者) ロバートA. サレルノ/ボリス・ヤンキロヴィッチ

(参考訳)

7月21日、ドッド・フランク金融制度改革・消費者保護法(以下「ドッド・フランク法」または「本法」という。)が、オバマ大統領の署名により成立したが、同法には、証券取引委員会(「SEC」)に対する証券法違反の報告を内部告発者に奨励する重要な新規定が含まれている。執行訴訟の成功につながる情報に対し報奨金を提供し、内部告発者を雇用主の報復から保護するものである。新規定はあらゆる証券法の違反に適用されるが、中でも、海外腐敗行為防止法(「FCPA」)の執行に重大な影響を与える可能性が高い。近年、刑事処罰、民事処罰や執行訴訟が急激に増大している分野である。

報奨金規定

本法によって、SECによる執行訴訟の成功につながる情報を自主的に提供した内部告発者への報奨金の支払いを定めた規定が新たに連邦証券法に加わった[1]。内部告発者が提供する情報は、「独自のもの」でなければならない。すなわち内部告発者の独自の知識または分析に由来するものであり、(当該内部告発者が元の情報源でない限り)他の情報源からSECが知り得るものではなく、かつ、司法、行政もしくは政府の報告、公聴会、監査もしくは捜査、またはニュースメディアからの情報のみに由来するものであってはならない。

内部告発者は、SECによる訴訟のみならず、「関連する」司法上または行政上の訴訟に基づいても、報奨金を受け取ることができる。「関連する」訴訟には、内部告発者が提供した独自情報によって執行訴訟が成功した場合に、かかる情報に基づいて行われた刑事捜査に関連して、司法省、該当規制機関、自主規制団体、または州検事総長により提起される、司法上または行政上の訴訟が含まれる。このように、同規定によって、SECによる執行訴訟が成功すれば、内部告発者の報奨金は、原訴訟および関連する訴訟により回収された合計金額に基いて計算されることとなった。本法は、制裁金額が100万ドルを超える結果となったSECの訴訟に限って報奨金を定めているが、関連する訴訟から制裁金額を回収し、合算することができるので、この新たな内部告発者規定の適用範囲は拡大するであろう。

内部告発者への報奨金は、回収された制裁金額の10%から30%の範囲である。本法は、以下の点を考慮して正確な報奨金額を決定するようにSECに指示している。(1) 訴訟の成功に対する内部告発者の情報の重要性、(2) 提供された支援の程度、(3) 違反を抑止することにおけるSECの「制度上の利益(programmatic interest)」、および (4) 「規則または規準によって委員会が設定するその他の関連のある要素」。

本法は、内部告発者が弁護士を通じて匿名で情報を提供し請求することを認めているが、内部告発者は報奨金の支払いに先立ちその身元を開示しなければならない。内部告発者の身元を明らかにすることが合理的に予測できるような情報については、SECまたは前記に列挙された政府組織の1つが開始した公的手続に関連して被告または被申立人に当該情報を開示する必要がない限り、またかかる必要が生じるまで、SECがこれを開示することは本法により禁止される。本法には、情報公開法の開示要件の法定免除が適用される。

一定の個人、例えば、当該訴訟に関連する犯罪行為により有罪となった者、証券法により要求される財務諸表の監査の履行を通じて、開示された当該情報を知った者、ならびに連邦の規制および法の執行に関与する一定の職員は、内部告発者になることはできない。本法はまた、「委員会が規則により要求する形式にて、委員会に情報を提出しない内部告発者」も除外する。最後に、本法は、虚偽、架空、または詐欺的発言や表明を故意に行うものや、虚偽、架空、または詐欺的記載が含まれることを知りながら虚偽の書類や文書を使用する内部告発者に対する報奨金の支払いを禁止する。

内部告発者制度に関する詳しい内容は今後発表されるであろう。内部告発者規定は即時に発効するものであるが、SECは本法のかかる規定を施行するための最終的な規則を270日以内に発行する予定である。

報復禁止規定

本法は、雇用主の報復に対する内部告発者の強固な保護を認めている。本法は、内部告発者がSECに対し情報を提供したこと、SECの捜査または訴訟を開始させ、証言し、または支援したこと、あるいは法的に要求または保護される開示を行ったことを理由として、内部告発者の解雇、降格、停職、脅迫、嫌がらせや、雇用条件において内部告発者を差別することを雇用主に禁止する。本法は、従業員が連邦裁判所において民事訴訟を提起する権利を認め、全国的な召喚権限を定めている。法定救済には、違反なければ就けていたであろう地位への復帰を含む完全な復職、利息付の未払賃金の2倍支給、ならびに鑑定人および弁護士報酬を含む訴訟費用の弁済が含まれる。報復に関する訴訟は、違反から6年以内、または重要な事実が判明した、もしくは判明したはずであるときから3年以内に提起しなければならない。いずれの場合も、違反から10年を経過した後は訴訟を提起することはできない。

FCPAの捜査および執行への影響

ドッド・フランク法の内部告発者規定は、SECが執行訴訟を提起しうるすべての証券法に適用されるものであるが、本法はFCPAの執行、直接的で多大な影響を与えると思われる。FCPAは1977年に制定され、事業取引の獲得または維持を目的として国外の公務員に対して支払いを提供することを禁止する連邦法であり、上場会社が会社の取引を正確かつ公正に表す記録を保持し、適切な社内会計管理システムを考案し維持することを要求する法律である[2]。これは、米国において禁止されている支払いを助長する行為を引き起こす、米国の会社および個人、米国で登録される有価証券を発行した会社、米国企業の従業員およびエージェント、ならびに外国籍の個人および企業に広く適用される。司法省は、刑事上の賄賂禁止規定を執行し、SECは民事上の帳簿記録規定を執行する。

最近のFCPAに関する大規模な和解および執行訴訟、内部告発者の報奨金の決定の際に「関連の司法上および行政上の訴訟」による回収額を合計できるということ、また政府が引き続きFCPAの執行に重点を置き、それに専従する人材を増加していることを考えると、ドッド・フランク法の内部告発者規定は、結果として、さらに多くのFCPA捜査および執行訴訟を生じる可能性がある。虚偽請求取締法(the False Claims Act)(同様の内部告発者規定を含む、政府に対する詐欺に対処する連邦制定法)に基づく医療保険会社および政府受託業者からの驚くべき回収額は、棚ぼたを期待して違反を告発する内部告発者の増加、これを支援する原告側弁護士の急増、およびこの制定法の執行の増加へとつながった。ドッド・フランク法の内部告発者規定は、FCPAの執行に対し同様の影響を与える可能性がある。

その他の影響

FCPAを含む証券法違反の可能性を認識している企業は、政府の寛大な措置を期待して、かかる違反の可能性を自主的に開示するかどうかの判断にすでに直面している。違反の可能性を政府に対し自主的に開示する企業は、自らが執行訴訟に直面していると分かった時点には、開示しない企業よりは立場が良いかもしれないが、自主的開示によって得られる具体的な恩恵は予測不能であり、評価するのは困難である。この新たな内部告発者規定により、証券法違反の可能性が、より多く、より早く、自主的開示されるようになるかもしれない。自主的開示による恩恵を期待する企業は、内部告発者が開示を行う前に迅速に行動しなければならないからである。さらに、同規定によって、以前は報告するほど重要ではないと思われていた軽微な違反の報告が増加する可能性もある。

結論

ドッド・フランク法の内部告発者規定は、企業が積極的なコンプライアンス制度を実施・維持するとともに、社内の内部告発者方針を見直し、実際に生じるコンプライアンスの問題に積極的に対応していく必要性を強調するものである。

脚注

[1] ドッド・フランク金融制度改革・消費者保護法(Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act)第111議会、下院法案 4173(2010) § 922(a) (1934年証券取引法15 U.S.C. § 78a et seq.に§ 21Fを追加。)
[2] 1977年海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act)Pub. L. No. 95-213, 91 Stat. 1494 (改正後15 U.S.C. §§ 78m, 78dd-1, 78dd-2, 78dd-3, 78ffとして法典に編纂).

本稿は一般的なもので、ここに含まれる情報はあらゆる事案に適用されるものではなく、また個別の事案に対する具体的な法的アドバイスを提供するものでもありません。

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New Whistleblower Provisions Likely to Increase FCPA Enforcement

By Robert A. Salerno and Boris Yankilovich

The Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act ("Dodd-Frank" or the "Act"), which President Obama signed into law on July 21, includes important new provisions intended to encourage whistleblowers to report violations of securities laws to the Securities and Exchange Commission ("SEC") by offering bounties for information leading to successful enforcement actions and by shielding whistleblowers from employer retaliation. Although the new provisions apply to all violations of the securities laws, they are likely to have particularly significant impact on enforcement of the Foreign Corrupt Practices Act ("FCPA"), an area in which criminal and civil penalties and enforcement activity have increased sharply in recent years.

BOUNTY PROVISIONS

The Act adds new provisions to federal securities laws that provide for payments to whistleblowers who voluntarily provide information that leads to a successful enforcement action by the SEC.[1] The whistleblower's information must be "original," meaning that it must be derived from the whistleblower's independent knowledge or analysis, must not be known to the SEC from any other source (unless the whistleblower is the original source), and must not be exclusively derived from judicial, administrative, or government reports, hearings, audits, or investigations, or from the news media.

A whistleblower would be entitled to an award based on not only the SEC action but also any "related" judicial or administrative action. A "related" action includes a judicial or administrative action brought by the Department of Justice ("DOJ"), an appropriate regulatory authority, a self-regulatory organization, or a state attorney general in connection with a criminal investigation that is based upon the original information provided by the whistleblower that led to the successful enforcement of the underlying action. Thus, the effect of this provision is that the whistleblower's award will be based on the total collected from the underlying action and any related actions, so long as there is a successful enforcement action by the SEC. Although the Act provides for an award in only those SEC actions that result in sanctions of more than $1,000,000, the ability to collect from related actions and to aggregate sanction amounts will increase the reach of the new whistleblower provisions.

Awards to whistleblowers range from ten to thirty percent of the collected monetary sanctions. The Act gives the SEC discretion to determine the exact award amount, taking into account: (1) the significance of the whistleblower's information to the action's success; (2) the degree of assistance provided; (3) the SEC's "programmatic interest" in deterring violations; and (4) "such additional relevant factors as the Commission may establish by rule or regulation."

The Act permits a whistleblower to submit information and make a claim anonymously, through counsel, but the whistleblower must disclose his or her identity prior to the payment of the award. It forbids the SEC from disclosing any information that could reasonably be expected to reveal the whistleblower's identity unless and until the information is required to be disclosed to a defendant or respondent in connection with a public proceeding instituted by the SEC or one of the other enumerated government entities. The Act qualifies as a statutory exemption from the Freedom of Information Act's disclosure requirements.

Certain individuals are excluded from becoming whistleblowers, including persons convicted of a criminal violation related to the action, those who learned of the disclosed information through the performance of an audit of financial statements as required by the securities laws, and certain federal regulatory and law enforcement employees. The Act also excludes "any whistleblower who fails to submit information to the Commission in such form as the Commission may, by rule, require." Finally, the Act bars rewards to whistleblowers who knowingly and willfully make any false, fictitious, or fraudulent statement or representation, or who use any false writing or document knowing that it contains a false, fictitious, or fraudulent statement or entry.

More details about the whistleblower program are still to come. Although the whistleblower provisions take effect immediately, the SEC will have 270 days to issue final regulations implementing these provisions of the Act.

ANTI-RETALIATION PROVISIONS

The Act accords whistleblowers robust protections against employer retaliation. It prohibits employers from discharging, demoting, suspending, threatening, harassing, or discriminating against a whistleblower in the terms of conditions of employment because the whistleblower provided information to the SEC, initiated, testified, or otherwise assisted an SEC investigation or action, or made statutorily required or protected disclosures. The Act creates a private right of action for employees in federal court, and provides for nationwide subpoena power. Statutory relief includes full reinstatement, with return to the same seniority status had the violation not occurred; double back pay, with interest; and litigation costs, including expert witnesses' and attorneys' fees. The retaliation action must be brought either within six years of the violation or within three years after the material facts became known or should have been known. In either case, the action cannot be brought more than 10 years after the violation.

IMPACT ON FCPA INVESTIGATIONS AND ENFORCEMENT

Although Dodd-Frank's whistleblower provisions apply to any of the securities laws under which the SEC can bring enforcement actions, the Act will likely have an immediate and outsized impact on FCPA enforcement. Enacted in 1977, the FCPA is a federal law that prohibits making payments to foreign officials for the purpose of obtaining or retaining business and requires publicly traded companies to maintain records that accurately and fairly represent the company's transactions and to devise and maintain a system of adequate internal accounting controls.[2]
It applies broadly to United States companies and persons, to companies that have issued securities registered in the United States, to employees and agents of United States businesses, and to foreign nationals and businesses that cause any act in furtherance of prohibited payments to take place in the United States. The DOJ enforces the criminal anti-bribery provisions and the SEC enforces the civil books and records provisions.

Given the large size of recent FCPA settlements and enforcement actions, the ability to aggregate the recoveries from "related judicial and administrative actions" when determining the whistleblower's award, and the government's continued focus on and increased resources devoted to FCPA enforcement, the Dodd-Frank whistleblower provisions are likely to result in even more FCPA investigations and enforcement actions. The staggering recoveries against health care companies and government contractors under the False Claims Act - a federal statute addressing fraud against the government that includes similar whistleblower provisions - has led to more whistleblowers alleging violations in the hopes of receiving a windfall, a proliferation of plaintiffs' lawyers to assist them, and increased enforcement of that statute. The Dodd-Frank whistleblower provisions are likely to have a similar impact on FCPA enforcement.

OTHER IMPLICATIONS

Companies learning of potential violations of the securities laws, including the FCPA, already face the decision whether to voluntarily disclose them in the hopes of receiving lenient treatment from the government. Although a company that voluntarily discloses a potential violation to the government will be better situated than one that does not in the event it finds itself facing enforcement action, the tangible benefits from voluntary disclosure are unpredictable and difficult to measure. The new whistleblower provisions could lead to more and/or earlier voluntary disclosures of potential securities law violations, as companies hoping to obtain the benefits of voluntary disclosure must move quickly, before the whistleblower makes his or her disclosure. They could also lead to more reports of minor violations previously deemed not significant enough to report.

CONCLUSION

The Dodd-Frank whistleblower provisions underscore the need for corporations to implement and maintain rigorous compliance programs, to review their whistleblower policies, and to proactively address any compliance issues that do arise.

FOOTNOTES

[1] Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act, H.R. 4173, 111th Cong. (2010) § 922(a) (adding § 21F to the Securities Exchange Act of 1934, 15 U.S.C. § 78a et seq.).
[2] Foreign Corrupt Practices Act of 1977, Pub. L. No. 95-213, 91 Stat. 1494 (codified as amended at 15 U.S.C. §§ 78m, 78dd-1, 78dd-2, 78dd-3, 78ff).
Because of the generality of this update, the information provided herein may not be applicable in all situations and should not be acted upon without specific legal advice based on particular situations.

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