2005. 02.15
企業買収に関する米国ハート・スコット・ロディーノ法の届出要件が変更されました
エイキ・ベイズ
雨宮 慶(訳)
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1976年ハート・スコット・ロディーノ反トラスト増進法(HSR法)及びその届出要件を所管する連邦取引委員会は、2005年1月31日の連邦行政命令集において、HSR法の適用条件の変更を公表しました。2005年3月2日から、HSR法の届出の要件は以下のように変更されます。
- 5000万ドルの「取引規模」要件は、5310万ドルに引き上げられます。取引の結果として保有する議決権を有する持分と資産が、該当する取引規模要件より低額の場合には、HSR法の届出は必要ありません。
- 年間純売上高または総資産が1億ドル/1000万ドルという「当事者規模」要件は、それぞれ1億620万ドル/1070万ドルに引き上げられます。2億1230万ドル以下の取引は、当事者の究極の親会社が該当する当事者規模要件を満たさない場合には、HSR法の届出は必要ありません。
- 2億1230万ドル(以前は2億ドル)を超える取引は、当事者の規模にかかわらず、届出が必要です。
このHSR法のそれぞれの金額要件の変更は、2000年2月のHSR法の改正により、HSR法の届出要件が、2004年9月30日以降に始まる会計年度ごとに米国の国民総生産の変化を反映して変更されることになったことに基づくものです。それゆえ、HSR法の適用条件は毎年変更されます。
HSR法の適用条件の変動制度は、HSR法に規定する他の適用条件や適用除外にも適用されます。例えば、米国外に存在する資産の取得は、その資産の価額が5000万ドルを超えない限りHSR法が適用されず、米国会社でない会社の議決権を有する持分の取得については、当該米国会社でない会社の米国内における、または米国に対する年間売上額が5000万ドルを超えない限りHSR法の届出は不要です。改正後は、これらの5000万ドルという金額要件が5310万ドルに引き上げられます。
HSR法の適用条件の変動の条項は、HSRの届出手数料に影響を及ぼしませんが、該当する届出手数料は、新たな変動制による金額に基づいて、1億620万ドル未満の取引については4万5000ドル、1億620万ドルから5億3070万ドル未満の取引については12万5000ドル、5億3070万ドル以上の取引については12万8000ドルとなります。
HSR法もしくはHSR法の届出要件の改訂についてご質問があれば、ワシントンDCオフィスのHSR法チームへご連絡ください。
スティーブ・スミス
ブラッドレー・ルイ
エイキ・ベイズ
ジョナサン・ガウディ
ジェフリー・ジャエケル
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