2009. 06.15
平成21年独占禁止法改正法の成立
執筆者
弁護士 雨宮 慶 kamemiya@mofo.com
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(このニュースレターがご提供する情報は一般的なもので、いかなる個別の事案に対しても適用されることを保証したり、解決を提供するものではありません。具体的な事案においては、当該事案に対する個別の法的助言なくして、ご判断をなされないようにお願い申し上げます。)
* Please click here for English version, "Law to Amend Japanese Anti-Monopoly Act Enacted."
平成21年6月3日に独占禁止法の改正法案(21年改正法案)が参議院で可決され、6月10日に公布されました。改正法案は平成21年2月27日に国会に提出されたもので、衆参両院とも原案通り可決されています。
すでに21年改正法案についてお知らせしたとおり、公取委の発表において改正の骨子として挙げられているのは、「1.課徴金制度等の見直し」、「2.不当な取引制限等の罪に対する懲役刑の引上げ」、「3.企業結合規制の見直し」、「4.その他所要の改正」です。これらの点についての詳細な解説は、「平成21年独占禁止法改正法案の国会提出」をご参照ください。法案は原案通り可決されていますので、これらの点についての説明は今回の改正法についてそのまま妥当します。
衆議院、参議院とも附帯決議があります。改正法の附則が審判手続きについて平成21年度中に検討を行い、所要の措置を講ずるものと規定していることに関し、附帯決議は、現行制度を存続することや、平成17年改正以前の事前審判へ戻すことがないように制度を抜本的に変更することを要求しています。さらに参議院の附帯決議においては、不公正な取引方法についてガイドラインの作成等による構成要件の明確化、外国企業の企業結合や国際カルテルに関する規制の実効性の確保を特に要請しています。
施行期日はまだ確定していませんが、平成22年1月1日または4月1日という案が有力です(事業者団体の設立の届出制度の廃止等一部の改正については、本年7月10日から施行されます)。これから施行期日までの間にガイドラインの案等が公表され、パブリック・コメントに付される予定です。
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